定時退社の後は保育園へ子どもの迎え、帰宅後は週末に作り置きしたものを元に夕食の準備

明日の持ち物の準備終わったの？
洗うものは出して！
と声をかけながらお弁当箱を洗う
傍らで味噌汁用に鍋にお湯を、、
子ども同士の喧嘩もBGMに手元の動きは休めない

食事を済ませ、子どもとお風呂に入り、
寝かしつける頃旦那が帰宅する

これがワンオペなのか？
子どもの寝顔を見ながら思った
今日も息つく間もなく動き続けた良き母だったかな

明日もまた仕事
早朝から起きて家事をこなし慌ただしく子どもを保育園へ送り、出社する
同じ日々の繰り返し
家族のためとあわただしく動く私の不満を聞き、
頑張っているね。お疲れさま
そんな言葉をかけて欲しい

あなたが夏は早朝から釣りに、冬は毎週ウインタースポーツを楽しんでいるように
私だって自分の時間がほしいと伝える
「俺の休みだ、どう使おうが俺の自由だろ」妊娠中に言われたこの言葉を忘れたことはない

私だって自分の時間がほしいと伝える
だったら俺が子どもをみるから出掛けたらいいじゃないか
普段から私がワンオペなのに任せて外出なんてと思いながら
いざ、ひとりで出かけようとするけど
ママどこ行くの？なんて言われると
子どもをおいて行けず結局母子で外出

スマホで検索する
「女性　癒し」「既婚者　癒し」
すると「女性向け風俗」の文字が目に止まった
風俗？ 旦那とはご無沙汰だけど
私が求めているのは性欲解消ではない。なんて思いながらホームページを見ると
「デートコース　お話聞きます　非日常のひとときを」
これなら•••そう思ってしまった

SNSで始まるやり取り
だんだん敬語がなくなり、
会いたい　この言葉が往復した。
はまらなければいい、１度だけ。
そう思っていたのに

待ち合わせ当日
食事のみのデートに行った
階段では手を繋いでくれて、車道側を歩いてくれて、助手席から見る横顔
この人は仕事でこうしている
今日限りで、今日だけ楽しもう
そんな自己暗示をかけながら見つめていた

そんなモヤモヤが顔に出ていたのかもしれない
別れ際、「キスする？」まさかだった。とっさに
「歯磨きしてないから！」って答えてしまった
「そっか」笑いながら彼は言った
そしてハグをした。

家に帰ってからも
温かい気持ちが私を包んでいた

今日はありがとう、楽しかったよ
はじめましてじゃないみたい
一緒にいて落ち着く
また会いたいね
彼からの連絡。営業だ、営業なのに。
彼といたあの日常を忘れられた時間が恋しいとさえ思うようになっていた

もう一度会いたい
デートなら、ホテルにいかなければ
自分の中の本心と建前が喧嘩する

仕事に追われ家事育児に追われ
自己犠牲を続ける日々の中で
その結果勝ったのは本心だった

食事のみのデートを重ね
彼の助手席でドライブを重ね
中学生のようなピュアな時間を重ねた

予約の時間も徐々に長くなり
ドライブの途中で時間あるからホテル行く？ってそんな日が来るなんて

私の人生史上最高のイケメンを前に私は服を脱げなかった。
彼も無理強いはせず、ムードのある部屋でただ隣に座っていてくれた
だんだんと申し訳なくなって
ライトなキスをした。そこで終了時間。
良かったのか悪かったのかそんなことさえ考える自分になっていた

彼との時間がもたらすものはたくさんあった
子どもを寝かしつけるまで神経を尖らせていた私だったけどおおらかな気持ちでいられるようになったこと
仕事でクレーム対応するときもほどよい笑顔でいられたこと
新しい下着を身に付けて気分が上がったこと
肌艶が良くなってメイクが楽しくなったこと

彼との時間が増えるなかで
いいことばかりじゃないこともあった。
彼のようなセラピストは動画配信をしている
SNS含め、動画配信の中でユーザーと呼ばれる利用者たちのコメントを目にするようになった
その存在が悲しくて悔しくて寂しくなっていた
女性特有の「月経」これに合わせてメンタルが不安定になることがあるが、会いたいけど会えない時間や期間が追い討ちをかける
忘れかけていた女を思い出させてくれる一方で、メンタル面では憎い自分に気づかされた

ワンオペを５年以上続けてきたいま
私は母子３人新たな道を見据えています

女性向け風俗というものを
男女間の感情を利用したひどいものだと思ったこともある
満たされない何かを求めて始めたこと
彼と意見の食い違いから険悪になっても周りに相談できることではない
だからこそ始めるなら慎重にと言いたい
ここまで来た私が言えることではないけれど

当然のことながら彼との未来はない
金銭が発生して得られる関係
対価として得られる非日常
自分なんて星の数ほどいる客にすぎない
いつか彼が引退をする日が来るかもしれない
それを思うと後戻りはできなくて
限りある彼との時間を
傷つきながらもときめき&大恋愛を与えてくれた彼との時間を
節度を持ちながら楽しみたい

会社員であり母であり女として