その乙女は鋼鉄で出来ている。
その乙女は鋼鉄で出来ている。
科学が生んだ機械の乙女。
世界が望んだ無敵の乙女。
百の武装で地球を守り、
千の武装で試験をパスし、
億の武装で恋をする。
戦う乙女、その名はゲガン
鋼鉄乙女ゲガンゲン!
ヒロくん、一緒に帰ろー。
いやだ。
ゲガンさん、一緒に帰ると
途中でこわい歌を歌い始めるからな。
僕はあれが聞きたくないんだ。
歌います。聴いてください。
恋のサテライト・ラブ
話を聞いてくださいよ!
話を聞いたら、私の歌も聞いてくれる?
いや、僕の話は「歌わないで」ってこと
だから、歌は聞けないが。
♪ 私の恋はお星さま
ああっ! 歌い始めやがった!
♪ お空をぐるぐる巡ってる
♪ いつかあなたに届けたい
♪ 想いの詰まった熱視線
♪ きっと貫くあなたのハート
それ、何の歌?
衛星軌道光学兵器
サテライトブラスターの歌。
やっぱりこわい歌だ!?
♪ きっと貫くあなたのハート
僕が狙われてる! こわい!
さあ、衛星レーザーに焼かれたくなければ、
ヒロ君は私と一緒に帰るしかないんだよ。
僕にはそんな二択しか残されてないのか…。
1. レア
2. ミディアム
3. ウェルダン
4. 一緒に帰る
ちがう!そんな所の選択肢を
増やしてほしいわけじゃない!
1. レア
2. ミディアム
3. ウェルダン
4. 一緒に帰る
5. 校長をウェルダン
校長先生を巻き込むな!
もー、ヒロ君、わがままばっかり。
いや、僕は悪くない。
断固、選択肢の再検討を求める。
もー、仕方ないね。
どんなのがいいの?
ひとつ目は、まあ、一緒に帰る でいいよ。
1. 一緒に帰る。
ふたつ目は、別々に帰る。
2. ヒロ君の頭と体が別々に帰る。
(頭は私と帰る。)
グロい!なにそれ!こわっ!
3. 頭と体が別々になった校長がウェルダン
校長ォー!!
その後、引きずられるように一緒に帰ったが、
ゲガンさんは納得しなかったらしく、
校長が軽く焼かれて日焼けしたという。
つづく。