かつては走っていたであろう電車。
それがある駅。
僕たちは駅にある椅子で一息ついていた。

なあ、僕たちはどうすればいいんだ?

どうなるのかしらね。世界が変わってしまうのは当然のことだろうけれど。だけれど、私がそれを変えることは出来ない。変えようと思っても、変更することに意味は無いのだから

明らかにこの世界に居れば注目を浴びるであろうドレス姿の少女は言った。
少女と言うよりも、もはやそれは幼女に近いのだが。

気が付けば、というわけではないけれど。
彼女と出会ってから僅か数日で、こんな風になってしまったというわけ。

それじゃ、なぜこうなったんだ――って?

そんなことを考える必要があるのなら、少しはこの世界をどうすべきか考えなければならないのではなくて?

……そうだな、取り敢えずこの世界がなぜどうなってしまったのか語る必要があるだろう。

君と出会った十日前まで、記憶を一飛び。
人生最後の小旅行と行こうか。

プロローグ 10日目

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