電車から見えるいつもの風景。
いつもと変わらない朝。
この日、僕は一人の少女と出会った――
電車から見えるいつもの風景。
いつもと変わらない朝。
この日、僕は一人の少女と出会った――
良い出会い無いかなぁ
あるわけねぇか
ん?なんだあれ?
電車の隅で女の子が男に尻を触られていた。
助けないと・・・!!
おい!おま・・・
あなた私に痴漢しましたわね?
え
え
僕の腕は女の子にがっちりつかまれていた
や、ヤバい…このままじゃ無実の罪をかけられてしまう!!
しかもよりによって痴漢と間違われるなんて最悪だ…!
一緒に警察まで来ていただけますか?
ま、待ってください!僕じゃないです!そこの男が犯人です!
ん?
本当なんですか?
ああ
な、なぜ認めるの…?
あなた捕まってしまいますのよ
初めてお嬢ちゃんを見たとき
なんて美しい子なんだ…と思った
もう二度とこんなに美しい子には巡り会えないだろう・・・
だから今日痴漢して捕まっても、悔いはない
そう思ったんだ
・・・・・・
ただの変態じゃねぇか
わかりましたわ
早くこいつを警察に…
見なかったことにします
え
え!?
そんなに真剣に熱い思いをぶつけられたのは初めてでしたわ…
少し嬉しかったです…
・・・
あの…// これから時間はありますか?
ああ
二人は次の駅で降りて行った
・・・・
いや、なんでだよ!?
なんでこうなるんだよ!?
オイ小僧
ふざけんなよ
オイ小僧
マジありえねーよ
ねぇちょっと気づいて
え
頭の中に謎の声が響いた
誰だよ!?
神です
普通にしゃべるのかよ
私の声はお前以外には届かない
つまりお前は痴漢から女の子を助けようとして失敗した上に、電車の中で一人で大声を出しているちょっとイタイ奴だ
最悪じゃん
可愛い女の子との出会いが失敗して残念だったな
まぁワシがやったんだけど
お前のせいなのか…!!
そうだ
今日の朝、妹にいきなりビンタされたのもお前のせいか…!!
いや、それは知らん
どうしてこんなことをするんだ!!
お前がイケメンだからだ
は?
イケメンは爆発しろ
何言ってんだコイツ…
いいか小僧、人生はそんなに甘くはない。たとえフィクションでもな
お前に少し興味が出てきた
もう少し観察させていただくよ
あれ・・・?俺何してたんだっけ?
ヤベ!もう降りないと!
こうして俺のいつも通りの一日がはじまる