電車から見えるいつもの風景。
いつもと変わらない朝。
この日、僕は一人の少女と出会った――

カケル

良い出会い無いかなぁ

カケル

あるわけねぇか

カケル

ん?なんだあれ?

電車の隅で女の子が男に尻を触られていた。

カケル

助けないと・・・!!

カケル

おい!おま・・・

エル

あなた私に痴漢しましたわね?

カケル

カケル

僕の腕は女の子にがっちりつかまれていた

カケル

や、ヤバい…このままじゃ無実の罪をかけられてしまう!!

カケル

しかもよりによって痴漢と間違われるなんて最悪だ…!

エル

一緒に警察まで来ていただけますか?

カケル

ま、待ってください!僕じゃないです!そこの男が犯人です!

デーブ

ん?

エル

本当なんですか?

デーブ

ああ

エル

な、なぜ認めるの…?
あなた捕まってしまいますのよ

デーブ

初めてお嬢ちゃんを見たとき

デーブ

なんて美しい子なんだ…と思った

デーブ

もう二度とこんなに美しい子には巡り会えないだろう・・・

デーブ

だから今日痴漢して捕まっても、悔いはない

デーブ

そう思ったんだ

エル

・・・・・・

カケル

ただの変態じゃねぇか

エル

わかりましたわ

カケル

早くこいつを警察に…

エル

見なかったことにします

カケル

カケル

え!?

エル

そんなに真剣に熱い思いをぶつけられたのは初めてでしたわ…

エル

少し嬉しかったです…

カケル

・・・

エル

あの…// これから時間はありますか?

デーブ

ああ

二人は次の駅で降りて行った

カケル

・・・・

カケル

いや、なんでだよ!?

カケル

なんでこうなるんだよ!?

オイ小僧

カケル

ふざけんなよ

オイ小僧

カケル

マジありえねーよ

ねぇちょっと気づいて

カケル

頭の中に謎の声が響いた

カケル

誰だよ!?

神です

カケル

普通にしゃべるのかよ

私の声はお前以外には届かない

つまりお前は痴漢から女の子を助けようとして失敗した上に、電車の中で一人で大声を出しているちょっとイタイ奴だ

カケル

最悪じゃん

可愛い女の子との出会いが失敗して残念だったな

まぁワシがやったんだけど

カケル

お前のせいなのか…!!

そうだ

カケル

今日の朝、妹にいきなりビンタされたのもお前のせいか…!!

いや、それは知らん

カケル

どうしてこんなことをするんだ!!

お前がイケメンだからだ

カケル

は?

イケメンは爆発しろ

カケル

何言ってんだコイツ…

いいか小僧、人生はそんなに甘くはない。たとえフィクションでもな

お前に少し興味が出てきた

もう少し観察させていただくよ

カケル

あれ・・・?俺何してたんだっけ?

カケル

ヤベ!もう降りないと!

こうして俺のいつも通りの一日がはじまる

いいか小僧、人生はそんなに甘くはない。

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