日常的な寂れた商店街。深夜0時を回っても街灯は白く無機質な光を発光している。そんな光すら届かない灰にまみれた裏路地で異形を違法に討伐する者達がいた。
 人達は次第に彼らをこう呼んだ。

 狩人と。

 この世界には異形という生物が存在する。
 ある日どこからか現れては人々や家畜などを襲った。
 その姿形は様々で異形のものや、人間とほとんど変わらないであろう体型のものまでいる。
 異形が発生した当時は異形がネットで拡散されて瞬く間に広まった。
 だが、このネット時代にそんな現実味の無い動画を上げてもただのフェイク動画だと罵られるだけだった。
 次第に異形が全世界で出現するようになると同時にこの動画の信憑性も上がっていった。今はもう全ての国で異形が確認された。
 人々は異形に怯えながら日々を過ごすようになっていった。
 国連は対異形部門を設立して異形への対抗策を異形発生から翌年に開始した。
 この時までにおよそ八千万人が死亡していた。後に未曾有の大災害と呼ばれる出来事だ。
 そして国連はその生物を

異形

と名付けた。この会見に対し各国は様々な形で対策を取ることとになった。
 さらに異形に関する様々な組織が各地で作られていった。ある所は自警団的な、ある所は崇拝する所まで作られた。
 その後も国連は数回会見をし、異形に関することを公表している。
 異形は特殊能力があり、それらを総称して異能と名付けた。
 その異能を使う者達を世間はいつの間にかこう呼ぶようになっていた。異能者と。
 異形には核が存在し、核を破壊すれば例外なく生命活動を停止する。
 異能者は異形から取れる核を食べる事で異能を得ることが出来る。
 そんな異能者の物語である。
 狩人は普段、街にいる異形を狩る事で生計を立ててる。それ故に狩人同士での戦いや助け合いも多い。
 そんな世界で生きる物語である。

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