……なあ、トニ
なんだ、アスト
眠いから、寝ても良いか
良いわけがないだろう
だって、もう深夜だぜ。いくら灯をつけて明るくしていても、体内時計はいつも通り深夜の感覚なんだよ
こんな時間にこんな場所に来る奴なんて、いないって
そういう油断が大事件に繋がるんだ、気を引き締めろ
へいへい……
こんばんは
…………
…………
……一つ、質問したい
バンダナを巻いた銀髪の少年、そのパートナーの鳥型の精霊
彼らは、君達の仲間か?
銀髪の少年……鳥型の精霊……?
もしかして、クラウドとフウルのことか?
仲間だとしたら、何かあるのか?
質問をしているのは、こちらだ
……仲間だけど、今は知り合いだよ
そうか
……今回は見逃そう。ロッティ、危害を加えるな
はぁ!?
随分と変わり身が早いですね?
彼らには、身内を助けてもらった貸しがある
それを、仲間である君達に返すだけだ
あ……これ、クラウドに怒られるやつだ
自由に遺跡内部を探検して構わない、怪我をしても自己責任だ。良いな?
良くねえよ。コイツらのせいで、遺跡に何かあったら……
ロッティ
……チッ、分かったよ
………………
では、ワレ達は自由に調べさせてもらうぞ
ああ。俺達も遺跡を調べるためにうろついているが、気にしないでくれ
……"偶然"、頭上から岩が落ちてくるかもしれないから、精々気をつけるんだな
ロッティ
偶然、だったら仕方がないだろ
ご忠告、どうもありがとうございます。それじゃあ、ボク達はここで……
ちょ、待つのじゃ、アルマ!
……俺も、一つ質問して良いかな
構わない、答えられる保証はできないがな
君は、ノーチェなのか?
…………。それがどうした?
いや。イエスかノーかで答えて欲しいんだ
………………
質問の意図が分からないし、そもそも侵入者であるアンタの質問に答えてやる義理はねぇよ
でも、こちらの仲間に貸しがあるんだろう?
それは、遺跡への侵入を見逃す分に使った。これ以上、アンタ達へ慈悲をかけてやる理由はない
はぁ、分かったよ
これ以上彼らをつっついても、印象が悪くなるだけだな。切り上げるとするか
それじゃあ、失礼するよ。また会えたら良いな。ノーチェ、ロッティ
……厄介な奴を見逃したかもしれないな