うーむ、守護者がまだおらんのなら、少し行ってみたい気持ちもあるのが……
い、遺跡に侵入する気なの!?
それって良くないことなんじゃ……
良くないことじゃが、この世界を知る手がかりにもなると思うんじゃ
大神様と精霊が住んでいたと言われておる、古代の場所……神話に残されていない何かがあるかもしれん
…………
遺跡には代理の守護者として、今朝の騎士野郎二人がいるらしい
あ……あの悲鳴を上げていた人達のことなの?
そ。あの間抜けな人達ね
ふむ、間抜けな奴等なら遺跡への侵入も容易いじゃろうて
早速明日の夜、遺跡に向かおうぞ!
ううん、そうもいかないの
やっぱり何か、罠とか仕掛けられてるの?
いや……王族が直々に、遺跡周辺の見回りをしているんだ
王族が……?
なぜ王族が、遺跡を見回りをしていますの?
それは、私達にも分からない
分かるのは、その王族の名前が"ノーチェ"であることくらいだよ
ノーチェ!?
それは本当か!?
でも、ノーチェは小さな子どもってレックスが言っていたの
子どもが遺跡周辺の見回りだなんて……危険すぎますわ
うん、だけど……私達が会ったノーチェは、青年だったよ
え……?
青年?子どもじゃないの?
ボク的には、レックスと同じくらいの歳に見えたけど
……ハヅキ、「ノーチェが子ども」という情報がガセである可能性は?
限りなく、ゼロに近いと思うぞ
あの情報は、信用できる情報源から仕入れたものじゃ
……証拠は確かにないが、しかし、彼女の情報は今までも信憑性があったからの
ふーん……でも、実際に青年であるノーチェを見たフェン達がいるしな
………………
………………
と、とりあえずさ!
この街に遺跡が発見されて……そして、ノーチェを名乗る王族が遺跡を見回ってるんだね?
ええ、そうです
つまり、遺跡には騎士団と王族がいるから……僕達は近付かない方が良いよね
そうですわね……何かの拍子にバレてしまったら、大変ですもの
そうだね。いくら代理の守護者が間抜けでも、一応は騎士二人だ
……いや、王族が近くにいるなら、バックに多くの騎士がいる可能性が高い
そ、そそ、そんなところに近付いたら、ヒナタ達が危ないの!
そうだね
だから、何がなんでも、私達は遺跡には近付かない
それで良いよね?二人とも
……ああ、分かった
……うむ
ボク達が得た情報は、以上だよ
分かった。レックスには、ワレから伝えておこうぞ