ソウスケ

はぁ……昨日は結局、外出できなかったな

シュウヤ

おじさーん

アサヒ

おはよー

ソウスケ

ああ……どうしたんだ、こんな朝から

シュウヤ

えー、用が無いと来ちゃダメなの?

ソウスケ

いや、そういうわけでもないが……

アサヒ

ねね、時計台に行こうよ

ソウスケ

はあ……?

シュウヤ

昨日シグレと一緒に遊ぶ、って約束したんだ

アサヒ

おじさん一人で寂しいだろうし、誘ってあげようかなって思ってさ

ソウスケ

はあ……気持ちはありがたいが、お断りだ

アサヒ

えー、なんでー?

シュウヤ

大勢で遊んだほうが、絶対楽しいじゃん?

ソウスケ

いや、約束したのはお前達だろ。俺まで巻き込むな

シュウヤ

ちぇー

アサヒ

しょうがない、じゃあカズマさんでも誘おうかな

ソウスケ

そうだな。ついでに、セナも誘ってやれ

シュウヤ

セナさん、来てくれるかな?

ソウスケ

さあ?でも大人数が良いなら、とりあえず誘ってみれば良いんじゃないか?

アサヒ

そうだね、せっかくなら皆で遊びたいし

シュウヤ

じゃあ、今からセナさんの家に向かおうよ。約束の時間まで、まだまだ余裕あるし

ソウスケ

ああ。じゃあ、気をつけてな

アサヒ

ソウスケさん、何か用事でもあったのかな?

シュウヤ

うーん……どうだろ。僕の暇人センサーはビンビンに反応してたけど

アサヒ

え?なにその、くそださセンサー

シュウヤ

そんなにださくないだろ

アサヒ

いや……寒気がするくらい、ださかったよ

シュウヤ

大袈裟すぎないか……?

ユヅキ

はぁ~……まるで迷路だな

カズマ

そうですね……それも、出口に繋がる正解の道が無い迷路です

ユヅキ

前に進んでいるつもりでも、いつの間にか元の場所に戻ってきているしな

カズマ

……こんな場所、シグレが用意したんでしょうか?

ユヅキ

いや、アイツは雇われゲームマスターだ。いわゆる、アルバイトのような感じだと思う

カズマ

あ、そっか

ユヅキ

にしても……まさか、「今日も脱出口を探すの、手伝います」なんて言われるとは思っていなかったな

ユヅキ

昨晩、互いに気まずくなったのに

カズマ

……さん?

ユヅキ

気にしていたのは、オレだけか

ユヅキ

……いや、そうだとしてもちゃんと謝らないとな

ユヅキ

モヤモヤしているのはオレだけだが、今は同じ境遇の仲間だ。後から面倒なことになる前に……

カズマ

ユヅキさん、ってば!

ユヅキ

へぁ!?

カズマ

す、すみません。驚かせちゃって!

カズマ

でも、その、ちゃんと前を向いて歩いた方が良いと思います

ユヅキ

えっ……あ

ユヅキ

いつの間にか、目の前には壁が……ここは行き止まりだったのか

ユヅキ

ご、ごめん。ちょっと考え込んでて……ありがとな、腕引いてくれて

カズマ

いえいえ、どういたしまして

カズマ

……って、失礼しました

ユヅキ

え?あ、うん?

カズマ

いや、その……いきなり腕を掴んでしまってすみません

ユヅキ

そうでもしないと、オレが壁にぶつかっていたんだろ?正確な判断だよ

カズマ

あ……う、はい…………

ソウスケ

……なんで二人がいるんだ?

ソウスケ

というか、なんでガキは顔が赤いんだ?

カズマ

ソウスケさんっ!?

ユヅキ

ああ、ソウスケ。おはよう

ソウスケ

ああ。……脱出口でも、探しているのか?

カズマ

ええ、そうです。少しでも早く、ここから出たいので

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