お客様

何よこれ! 傷みそうじゃない!!

すみません……でも、値引き品なので

お客様

この値段でも買わないわよ! もっと下げるって言うならまだしも……

お客様

もうやめときましょうよ、お義母さん

赤ずきん

どうかしたの? 狼さん

え? あ、いや……

お客様

これ見なさいよ!! もう少しで傷みそうな商品なの、もう少し値下げ出来ないの?

赤ずきん

申し訳ございません。これ以上の値下げは……

お客様

何よ融通の利かない子ね! あなたみたいな店員初めて! ほんと役立たず!!

お客様

お、お義母さん、やめて下さい……!!

お客様

いつも表情も髪型も一緒だし、何だか心がこもってないもの! 絶対モテないわよ、この子!!

お客様! それはちょっと言い過ぎです!!

赤ずきん

や、やめて狼さん!!

赤ずきん……ごめん

 赤ずきん、こんな仕事に関係の無い中傷されてもちゃんと対応してて……偉いなぁ、プロだよ。

赤ずきん

すみません、この子まだ入って日が浅くて。いやぁ、ほんと、身に沁みました。お客様にはかないません

お客様

ふん、褒めたところで……

赤ずきん

いえ~かないませんよ。夫の悪口を書いたノートが150冊に至るお客様には

赤ずきん……さっきの俺の感動返して

お客様

はっ? 何言ってんの? そんなの書いて無いけど

え、それじゃあ今のは……?

赤ずきん

……あ、間違えた。それを書いてたのはお客様の方でした

お客様

……

お客様

……じっくり聞かせてもらおうか

 会計後、若い奥さんは、お義母さんに取り調べるかの如く連れ去られていった。……か、可哀想に。

店長

赤ずきん、俺に直接言ってくれれば値引きしてあげたのに……ちょっとだけ

バイト君

そう言いながら、お客様の怖さから足を踏み出せずにいたのは店長ですよ?

62:やめたげて! スーパー飛び火

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