家族が仕事や学校で出てる中、スカイは届いた『アルバイト不合格』の通知に落ち込んでいた。
今まで落ちる経験をしてこなかった分、短期間で二つ駄目になったショックは大きかった。
しかも二つ目の本屋はずっと憧れていた仕事だ。尚更ショックだった。
一つ目のデイサービスも駄目、二つ目の本屋アルバイトも駄目……これは自分は働くのを諦めた方が良いって事なのか……
家族が仕事や学校で出てる中、スカイは届いた『アルバイト不合格』の通知に落ち込んでいた。
今まで落ちる経験をしてこなかった分、短期間で二つ駄目になったショックは大きかった。
しかも二つ目の本屋はずっと憧れていた仕事だ。尚更ショックだった。
大好きな本に囲まれて仕事したり、本屋大賞に参加したり……してみたかったのになぁ……
しかし落ち込んでばかりもいられない。好い加減貯金が底をついてしまう。推しに貢げなくなったら生きる意味さえ無くなってしまうというのに。
こうなったら前々職に戻って探すしか……又落ちるかも知れないけど
そう思いながらスカイはスマホで『セブン●レブン アルバイト』を検索した。
するとすぐにセブン●レブンのアルバイト募集に関するサイトが開く。
複数あるセブン●レブンの内、アルバイトを募集している店のみが位置情報と一緒に出るようなサイトになっていた。
家から一番近い所は……あれ?アルバイト募集してないの
スカイが狙っていたセブン●レブンの位置には何も出ていない。つまりアルバイトの募集は無いという事だろう。
他に近くで募集している所は……反対側だけどあのスーパー付近の場所か
募集しているセブン●レブンの場所を思い浮かべる。
ちょっと遠いけどあそこならまぁ……良いかな
そう考え、すぐに応募する。
今度は上手く行くと良いんだけど……
幸いにして応募に電話連絡の必要は無かった。
メールで良いってのは有難いなぁ……
そう思いながら必要事項を入力し、サイトを閉じた。
それから数分後……。
そんなに鳴らない筈のスマホが鳴り出し、スカイは驚いて硬直した。
え、何?間違い電話!?
驚きながらも重要な連絡だったら困ると思い、恐る恐る電話に出る。
はい、もしもし?
あ、もしもし。スカイさんの携帯ですか?私セブン●レブンMM店の副店長ですが
え、はい!
電話はアルバイト応募をした先のセブン●レブンだった。
まさか応募先から電話が来るとは夢にも思っていなかったスカイは驚きながら応じる。
アルバイトの応募してくれましたよね。電話の方が良いと思ったので連絡しました
ご丁寧に有難うございます!
優しそうな女性の声にホッとしながら応対する。
電話は今までコンビニのアルバイト経験があるのか、経験したのはどこのコンビニアルバイトか……といった簡単な質問から始まった。
大学四年間下宿場所の近くのセブン●レブンでのアルバイト経験があったスカイがその話をするとすぐに面接の日程の相談となり、電話は終わる。
……早々に面接決まっちゃったよ
トントン拍子に話が進んで喜ぶ所かも知れないが、手前で面接二つ落ちたスカイである。
喜びよりも不安が勝っていた。
それでも時間が止まる訳でも無く、面接の日を迎える。
セブン●レブンだから服装はスーツとかじゃなくて、動き易い格好。髪型も整えて清潔感が出るように……良し行くぞ!
思っているより緊張は無く、時間を気にしながら店舗に向かう。
店員さんに面接の話をすると話は通っていたようで、すぐに裏へと通された。
元々勤めていたセブン●レブンとの違いに新鮮さを覚えながら、案内する声に事務所へ向かう。
迎えてくれたのは二人の女性。最初に待っていてくれた方はここのセブン●レブンのオーナーさんだという。それから少し遅れてやってきたのが電話をくれた副店長さんだという事だった。
面接は終始和やかに行われ、オーナーさんも副店長さんも入ってくる蚊の事さえ気にしてくれる程だった。
どうして前職を辞めたのか、という質問については病気の事を包み隠さず話すが、それについて引かれるような事も無く、ホッとしながらその後も幾つかの質問に答える。
その後、決定的な質問がされた。
それで、スカイさんは何時から来れますか?
オーナーさんの問い掛けに考え込みながら応じる。
そうですね、今は特に何もやっていないので……すぐにでも
答えると今度は副店長さんが言う。
それでは火曜日の午前九時に最初の出勤でどうでしょう?
はい、大丈夫です。メモ取らして頂いても良いですか?
尋ねると今度は二人ともが頷いてくれる。
どうぞ
そうしてメモを取り、面接は終了した。
経験者というのが効いた為だろう。今まで落ち続けたのが嘘のようだ。
何と面接当日にスカイの職場内定は決まったのだった!