かかしのジェシー

あるところに

ジェシーという

かかしがいました

ジェシーには

ふたりのともだちがいました

 

ピトリと

キベトです

ふたりは

おとうさんと

いっしょにくらしていました

 

あるひの

あさはやくのことです

ピトリとキベトが

おとうさんといっしょに

はたけにやってきました

みんなは

はたけしごとを

がんばっていました

ジェシーは

みんなを

みまもっています

だれもが

いっしょうけんめいに

はたらいていました
 

やがて

へとへとにつかれ

おなかが

ぺこぺこになりました

そのとき

おとうさんがいいました

おうい
そろそろ、おひるごはんにしよう

みんなは

よろこびました

はたけの

すみにあるきのしたに

おべんとうを

いれたかごがおいてあります

かごをとりに

キベトが

はしりだしました

キベト、あせらないで。おべんとうは、にげたりしないから

ピトリがいいました

ピトリは

とてもしっかりものなのです

だいじょうぶ

 キベトはそういうと

かごをもち

きのしたから

みんなのほうへ

はしってきました

あっ!

 なんということでしょう!

キベトは

ころんでしまいました

 おべんとうのかごは

ころがって

なかのパンやくだものが

とびだし

つちでよごれてしまいました

きをつけて、っていったのに

ピトリが

おこっていいました

おべんとうをたのしみに

はたけしごとを

がんばっていたのです

ごめんなさい。おひるごはん、たべられなくなっちゃった

そういって

キベトは

なきだしてしまいました

なかないで、キベト

そういったのは

ジェシーです

きっと、まだかごのそこになにかのこっているよ。かごのなかをみてごらん

うん、みてみるよ

キベトは

なくのをやめて

てについたつちをはらい

かごのなかをのぞきます

ビスケットが5まいと、りんごが2このこっている。でも、こんなにすこしでは、とてもみんなにはたりないよ。おみせでかうにしても、まちまではとおすぎる。どうしよう?

キベトは

また

なきべそをかいていいました

だいじょうぶだよ、キベト

ジェシーが

やさしいこえでいいます

みんなでわけあってたべればいいよ。そうでしょう、おとうさん

そうだね。ジェシーのいうとおりだ

おとうさんは

うなづいていいました
 

みんなは

5まいのビスケットと

2このりんごを

すこしずつ

わけあってたべました

おいしいね

ピトリは

そういってわらいました

おいしいね

キベトも

そういってわらいました

おいしいね

おとうさんも

そういってわらいました

たべものがどんなにすくなくても、ともだちとわけあってたべるとしあわせなきもちになる。しあわせなきもちは、ともだちがどんなにおおくても、たらなくなることはないんだよ

ジェシーは

みんなにいいました

ジェシーは

とてもものしりの

かかしなのです

さて

あるよるのことです

たくさんのほしが

そらに

かがやいていました

しかも

こんやは

すいせいがあらわれるというのです
 

ピトリは

いえのなかで

おてつだいをしています

ふう。つかれたなあ

ピトリがいいました

そして

キベトが

いえにいないのに

きづきました

おとうさん、キベトはどこにいったの?

すいせいをみにいったよ

キベトは

はたけにでて

ジェシーといっしょに

じっと

よぞらをみていました

ピトリも

はたけにいきました

おうちのことを

てつだってもらおうと

おもったからです

ねえ、キベト

ピトリは

すこしいばっていいました

おうちにもどって。そしてわたしのおてつだいをして。キベトがおべんとうをだめにしてしまったことも、それでゆるしてあげるから

ごめんなさい、ピトリ

キベトは

もうしわけなさそうにいいました

こんやはてつだえない。すいせいをみのがしてしまうかもしれないから。だから、あしたがんばるよ

キベトのことばに

ピトリはおこっていいました

わたしはさっきまで、おてつだいをしていたんだよ。キベトとちがって、おべんとうをこぼしてもいないのに

ごめんなさい、ピトリ。あしただけじゃなく、あさってもがんばるよ

それでも

キベトは

すいせいをみようとします

ほんとうに『ごめんなさい』っておもっているなら、きょうがんばるべきだとおもう

ピトリはそういって

ジェシーにたずねました

ねえ、ジェシー。あなたもそうおもうでしょう?

いいえ、わたしはそうはおもわない

ジェシーはいいました

ピトリはびっくりして

ジェシーのほうをみました

ピトリは

ジェシーもキベトのことを

しかってくれるとばかり

おもっていたのです

どうして、ジェシー?

ふしぎにおもって

ピトリはたずねました

わたしはおべんとうをおとさなかったのに、さっきまでがんばっていた。けれど、キベトはおべんとうをおとして、ずっとジェシーとはなしていた。キベトはなにもしなくていいの? それって、ずるいとおもう

ピトリががんばったのは、すばらしいことだ。わたしはうれしい。おとうさんもよろこんだことだろう

おこっているピトリに

ジェシーはやさしくいいます

キベトはピトリをみならってがんばらなくてはいけない。でもね、ピトリ。べつにこんやでなくてもいい。おてつだいはあしたでもできるけれど、すいせいはこんやしかみられないのだから

そうかもしれないけれど……

ピトリは

なんとなく

ジェシーのいうことが

ただしいような

きがしてきました

けれど

いやなきもちも

のこっています

ピトリのほうが

たくさん

いいことをしたのに

ピトリのいいぶんでなく

キベトのいいぶんが

とおったのです

なんだか

ピトリだけが

そんをしているように

おもわれてなりません

さあピトリ、そらをごらん。きっと、もうすぐすいせいがやってくるよ

うん、ジェシー

ピトリは

ジェシーによりかかって

そらをみあげました

まだ

キベトとジェシーへの

いやなきもちは

なくなっていません

でもピトリは

すいせいをみようと

おもいました

そして

それからすこしたったとき


そらがひかりました

すいせいがあらわれたのです

わあ

きれいだね

キベトやジェシーは

くちぐちにいいました

うん、とてもきれい……

ピトリも

そういいました

けれど

みんなにあわせて

そういっただけです

キベトと

ジェシーへの

いやなきもちのために

ピトリは

くるしんでいました

すいせいのうつくしさも

はっきりとは

かんじられませんでした

さて

またあるひのことです

ピトリと

おとうさんは

にづくりをしていました

もうすぐ

あらしがきて

こうずいになる

といううわさをきいたのです

さて、わたしたちもひなんしよう。ピトリ、キベト、ついておいで

にづくりをおえて

おとうさんは

ふたりによびかけました

はい、おとうさん

ピトリが

げんきよくいいました

キベトのこえは

きこえません

キベトは

どこにいったのでしょう?

キベトがいないな。ピトリ、キベトがどこにいるのかしらないかな?

しらない

おとうさんに

たずねられて

ピトリはこたえました

ほんとうは

まったくあてがないわけでは

なかったのです

キベトは

ジェシーのことをしんぱいして

はたけに

いったのかもしれない

そうつたえよう

ともおもったのです

けれど

ピトリはきゅうに

いやなきもちを

おもいだしました

キベトが

おてつだいをしてくれず

ジェシーが

がんばったピトリをほめず

また

キベトをしかっても

くれなかったときです

あのときの

いやなきもちが

きゅうに

おおきくなってきました

ピトリは

ふたりのことが

きらいになってしまいました

キベトやジェシーなんて、しらない。わたしをいやなきもちにさせたひとのことを、かまってあげるのはいやだ

そんなふうに

おもっていたのです

おとうさんは

ピトリのことばをきいて

すこしかんがえました

それから

いいました

いえのなかにはいないようだ。きんじょのひとたちと、もう、ひなんしたのかもしれない。おかのうえのまちにいけば、きっとあえるだろう

こうして

ピトリとおとうさんは

おかのうえのまちに

いってしまいました
 

おかのうえのまちは

たかいところです
 

かわがあふれ

どんなにたくさん

みずがきても

ここなら

あんしんです

ひなんしてきた

ひとびとは

おおきな

こうみんかんのなかに

あつまっていました
 

たくさんの

ひとびとがいます

でも

キベトはいません

ピトリとおとうさんは

みんなに

たずねてまわりました

ですが

キベトがどこにいるのか

だれも

しりませんでした

こまったな、キベトはどこにいるのだろう? ピトリ、キベトがどこにいるのかしらないかな?

おとうさんは

ピトリにいいました

しらない

ピトリは

むきになって

いいました

キベトは

ピトリをてつだって

くれなかったのです

キベトはわるいこ

そのはずです

ジェシーは

キベトのみかたを

したのです

よいこではなく

わるいこのみかたを

したのです

ふたりが

どうなろうと

ピトリには

かかわりのないことです

きっとそうです

そうおもって

ピトリは

くちをつぐんで

しまいました

ずいぶん、ひどいあらしになったね

ちかくのひとびとが

うわさばなしを

しています

むらと、はたけは、すべてみずにのみこまれてしまうだろうね

うわさばなしを

きいたピトリは

ジェシーやキベトは

どうなっただろうか?

とかんがえました
 

キベトやジェシーは

ずっと

ピトリのともだちでした

いやなきもちが

おおきくなったために

ピトリは

いろいろなことを

わすれてしまっていました

ですが

おもいだしてきました

ピトリは

キベトやジェシーのことが

だいすきでした

みんなで

わけあってたべた

ビスケットとりんごのあじを

ピトリは

おもいだしました

ピトリ、ピトリ

おとうさんは

やさしくよびかけます

キベトが、どこにいるかしらないかな?

ジェシーをしんぱいして

はたけに

いったのかもしれない



ピトリは

いおうとおもいました

けれど

いえませんでした

そういってしまうと

いえをでるときに

しらない

といったのが

うそだと

ばれてしまいます

うそをつくのは

いけないことだ

おとうさんは

そういっていました

いままでピトリは

よく

おてつだいをする

いいこでした

けれど

うそをついたのが

ばれたなら

おとうさんに

しかられてしまいます

もう

〝いいこ〟とは

おもって

もらえなくなるでしょう

きっと

おとうさんに

きらわれてしまう

ことでしょう

それがこわくて

ピトリは

しばらく

だまりこんで

しまいました

そして

しらない

そう

とても

ちいさなこえで

いってしまいました

けれど

いってしまった

すぐ

あとに

ピトリは

とても

こわくなりました

キベトとジェシーは

どうなるのでしょうか?

だれが

ふたりを

たすけてくれるでしょう?

キベトとジェシーが

かわいそうで

ほんとうのことを

いおうと

ピトリは

おもいなおしました

けれど

もう3かいも

しらない

といって

しまったのです

おとうさんは

ことのほか

おこるでしょう

なおのこと

ピトリを

きらいになるでしょう

キベトとジェシーが

かわいそうで

また

おとうさんに

きらわれるのも

こわくて

ピトリには

もう

どうしたらいいか

わかりません

ピトリは

なきだしてしまいました

なきながら

キベトとジェシーについて

こわくなったこと

いやなきもちになったこと

おとうさんに

きらわれたくない

ということなど

なにもかも

はなしてしまいました

よくはなしてくれたね、ピトリ

やさしいこえで

おとうさんは

いいました

ピトリはいいこだよ。いやなきもちがあったのに、さいごにはキベトのことをはなしてくれた。なにもわるくなんかない。そして、おとうさんはピトリがだいすきだ。もしもピトリがわるいこでも、おとうさんはピトリをあいしているよ

そういって

おとうさんは

ピトリを

だきしめました

おとうさん、ごめんなさい。それに、ありがとう

こちらこそありがとう、ピトリ。あやまるひつようはないよ。ピトリは、とてもいいことをしてくれたのだから。さあ、キベトをたすけにいこう

おとうさんと

ピトリは

ボートにロープをのせて

はたけへむかいました

さて

キベトたちの

はなしをしましょう

ピトリが

おとうさんと

ひなんしたとき

キベトは

まだ

はたけにいました

キベトは

ジェシーをつれて

ひなんするために

はたけに

きていました

シャベルで

ジェシーのからだになっている

ぼうのねもとを

ふかくほり

どうぶつたちと

いっしょに

ぼうをひっぱり

キベトは

ジェシーを

じめんから

ひきぬこうとしました

しかし

どれほど

がんばってみても

ひきぬくことは

できませんでした

ぼうは

とても

とても

ふかく

うまっていたのです

それでも

キベトたちは

がんばりました

そのうちに

あらしがやってきて

あめがふり

かぜがふき

かみなりが

なりひびきました

かわのみずが

いまにも

あふれそうなほど

ふえたとき

はたけのちかくに

かみなりが

おちました

かみなりは

ていぼうの

まんなかの

おおきないわを

くだきました

すると

なんということでしょう!

そこから

たくさんのみずが

ながれこみ

たちまち

ていぼうは

くずれてしまいました

あっ、という

まもなく

たきのようないきおいで

どろみずが

はたけに

ながれこんできます

わあ! どうしよう!?

キベトが

さけびました

みんな、わたしにのぼりなさい

ジェシーがいいました

みんなは

ジェシーのいうとおりに

することにしました

ジェシーのりょううでは

たかいところに

あります

みずは

すぐには

とどきません

ジェシーのおかげで

みんなは

おぼれずにすみました

ありがとう、ジェシー

みんなは

くちぐちに

おれいをいいます

どういたしまして

ジェシーは

へんじをしました

ジェシーは

みんなをせおい

こうずいのみずと

たたかいます

みずは

つめたく

ものすごいいきおいです

ときどき

いしや

りゅうぼくが

ながされてきて

ぶつかります

みんなをせおって

みずとたたかうのは

とても

たいへんなことです

それでも

ジェシーは

がんばります

もしも

ジェシーが

あきらめてしまったなら

みんな

みずに

のみこまれて

しまうからです

みんな、がんばろう

ジェシーは

いいました

いまにきっと、おとうさんがたすけてくれる。それまでがんばろう。あらしに、まけてはいけない

うん、がんばろう

キベトが

いいました

みんなも

くちぐちにいいました

あらしは

すこしずつ

つよくなっていきます

あめは

さらに

いきおいよくふり

かぜは

なお

あれくるい

かみなりは

どんどん

ちかくにおちてきます

とても

とても

おそろしい

あらしのよるでした

どんなものであれ

のみこまれ

こわされてしまうでしょう

ジェシーやみんなも

いつまで

がんばることが

できるでしょうか?

みんな、がんばろう

けれど

それでも

ジェシーは

あきらめません

ジェシーは

おとうさんを

しんじているのです

あきらめずに

がんばりつづけていれば

きっと

おとうさんと

ピトリが

たすけにきてくれる

ジェシーは

そう

しんじているのです

けれど

つめたいみずにつかり

いしや

りゅうぼくに

ぶつかられ

みんなの

おもさにたえて

たちつづけるのは

とても

とても

つらいことなのです

ジェシーは

おもわずさけびました

おとうさん!

そのとき

ジェシーは

やさしいこえを

ききました

おうい、みんな、たすけにきたよ

ボートにのって

おとうさんと

ピトリが

やってきました

おとうさんは

ロープのさきに

わをつくり

みんなのほうへ

なげました

キベトは

ロープのわのなかに

からだをとおします

おとうさんは

それをみて

ロープをひっぱります

キベトは

ボートのうえに

ひきあげられました

キベトは

たすかったのです

おとうさんは

なんども

ロープをなげ

みんなを

たすけていきます

やがて

さいごに

ジェシーひとりが

みずのなかに

のこりました

ありがとう、ジェシー。おかげで、みんなをたすけることができた。いま、たすけてあげよう

そういって

おとうさんは

ロープをなげました

そのときのことです

ぼきり

はたけに

ささっていた

ジェシーの

からだをささえるぼうが

ねもとで

おれてしまいました

あっ

というまもなく

ジェシーは

のみこまれてしまいます

ジェシー

ピトリが

なまえをよび

なきました

ジェシー

キベトも

なまえをよび

なきました

みんなが

ジェシーのなまえをよび

なきました

……みんな、ジェシーにおれいをいおう

なみだをぬぐって

おとうさんが

いいました

ジェシーががんばってくれたおかげで、みんながたすかった。ありがとう、ジェシー

おとうさんは

ジェシーに

おれいをいいました

ジェシー、ありがとう

ピトリも

おれいをいいました

ジェシー、ありがとう

キベトも

おれいをいいました

みんなが

おれいをいいました

みんなは

ボートで

おかのうえのまちを

めざします

みんなは

ぶじに

ひなんすることが

できました

ジェシーのおかげです

みんなは

ジェシーのおかげで

たすかったのです

それから

みっかがたちました

あらしはすぎました

あめはやみ

かぜはなぎ

かみなりがとどろくことも

ありません

みずは

すっかりひいて

こうずいで

めちゃくちゃに

こわされた

いえやはたけが

たいように

てらされています

おかのうえのまちに

ひなんしていたひとたちが

もどってきました

ピトリと

キベトたちみんなも

もどってきました

みんなは

まず

ジェシーのはたけに

いきました

はたけには

こうずいでながされてきた

いわや

りゅうぼくが

たくさん

おちていました

けれど

かかしのジェシーのすがたは

ありません

ジェシーには

もう

あえないのです

みんなは

なきました

せめて

もういちど

ジェシーに

あいたいものです

ジェシーにあって

あらしのよるのことで

おれいをいいたい

そう

みんな

おもっていました

やあ、みんな

そのとき

こえがしました

とても

ジェシーに

そっくりなこえです

みんなは

おどろいて

こえのしたほうを

みました

そこには

せのたかい

おんなのひとが

たっていました

ジェシーに

ふんいきが

にています

わたしはジェシー。みんな、またあえてうれしいよ

ジェシーはいいました

そして

あらしのよるのことを

はなします

みずに

のみこまれたあと

ジェシーは

きをうしなってしまい

めをさますと

あたりからみずがひき

ジェシーは

にんげんになっていた

のだそうです

みんなは

ジェシーが

ぶじだったことを

もういちどあえたことを

とても

とても

いいつくせないほどに

おおよろこびしました

それから

みんなは

がんばりました

こうずいで

こわされてしまったものを

もとどおりに

するために

するべきことは

やまのようにあり

それでいて

まいにち

ごちそうが

たべられるわけでも

ありません

まいにち

とても

たいへんです

でも

ピトリも

キベトも

みんな

だいじょうぶです

すくないたべものでも

わけあえば

しあわせは

どこまでも

ふえていくことを

しっています

キベトも

ジェシーも

がんばってくれるので

ピトリは

いやなきもちに

なりません

しっぱいすることが

あったとしても

おとうさんは

ピトリを

きらいになったりしない

ということも

しっています

ピトリは

あんしんして

いろいろなことに

とりくめるようになり

まえよりも

もっと

しあわせな

いいこになりました

そんな

ピトリと

いっしょにいることで

キベトも

また

もっと

しあわせな

いいこになりました

そして

あるひ

みんなのがんばりが

かたちになり

こわされたすべてのものが

ついに

すっかり

もとどおりに

なりました

みんなは

とても

とても

よろこび

おいわいの

パーティーを

することにしました

みんな、わたしはたびにでるよ

パーティーで

ジェシーはいいました

むかしは、はたけにたっていることしかできなかった。けれど、いまはじゆうにあるくことができる。だから、いろいろなところにいってみたいんだ

みんなは

ジェシーと

はなればなれになるのを

いやがり

いっしょに

くらしつづけてくれるように

おねがいしました

みんな

ジェシーのことが

だいすきだったからです

わたしもみんながだいすきだ。だから、はなればなれになっても、おたがいのことをいつもかんがえていよう。おたがいをおもいやるきもちと、すなおなきもちがあれば、どれだけはなれても、きっと、ともだちでいられるよ。そうでしょう、おとうさん?

ああ。ジェシーのいうとおりだ。きをつけていくのだよ。わたしは、ジェシーがだいすきだ

わたしも、ジェシーがだいすき

ピトリが

いいました

わたしも、ジェシーがだいすき

キベトも

いいました

ありがとう、みんな。わたしも、みんながだいすき。それではいってきます。みんな、げんきでね

ジェシーは

いいました

みんなに

みおくられて

かかしだったジェシーは

たびだちました

いずれ

たびのとちゅう

あなたのもとに

くることが

あるかもしれません

もしも

ジェシーにであったなら

あなたは

どうしますか?

かかしのジェシー

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