◆Area03◆
悲しき再会

GM

遺跡最深部だ。

エルムン

女王蟻との対面……!

GM

ところがどっこい。出口らしきものは一向に見当たらずコーネリアの姿も見つからない。どうやら、この先最深部に進むしかないらしい。ずっと奥に進んだところで、大きな部屋に突き当たる。その部屋の奥には観音開きの大扉が存在している。

GM

そして、その扉の前に誰かがいる。それは男のようだ。キミたちに気付いたのか、その男──ガラドアは、槍を構えた。

一同

えっ!?

ガラドア

「……」

エルムン

「お父さん!?」

GM

その男が槍を構え、扉の前で行く手を阻む。目に光はなくキミたちが何を言おうと聞く耳を持たない。PCからの距離は5m、キミたちは同一エンゲージだ。

フォシア

やっぱり倒すしか!?

マーセイディズ

《クウェリィ》を宣言!

GM

なんだい?

マーセイディズ

助ける方法あります?

GM

ない。唯一あるとすれば、彼を弔うことくらいだ。既にその身はアンデッドである。

マーセイディズ

くう……。

フォシア

……。

アンネリカ

死体ではあるのね……。

エルムン

Oh……。

GM

──3年前、インフェストアントが遺跡奥に巣食っていることに気付いた彼は、マード遺跡探索に挑んだ。しかし神殿の思惑にまでは気付かず、ある存在との戦いの末遂に彼らに寄生されてしまい、操られている。その身は既に死人であるが、生前に近い姿で利用されている。

マーセイディズ

その情報共有しますね。

GM

──が、操られている最中も、自我はある。

一同

えっ!?

フォシア

むごい……。

GM

だからこそ、彼の声を持って伝えよう。

ガラドア

「……俺を……殺せ……」

エルムン

「そん……な……」

マーセイディズ

「っ……」

GM

敵は槍の名手、ガラドア。しかしそこに自我はある。操られているが、それを、なんとか抑え込もうとする。

フォシア

「エルムン……さん……」気遣わしげな眼で見る。

エルムン

「……」ぐっと槍を握りしめる。

マーセイディズ

「……エルムン君、君の一言で私たちは動きます。ごめんなさいコーネリア……このような結果で……」

 エルムンは意を決し、口を開く。
 その目には決意の炎が宿っていた。

エルムン

「僕がやらなきゃ……いけないんだ……! 父さんを……解放します!! 力を貸してください!!」

マーセイディズ

「はい、お任せください。弔いましょう」

フォシア

「もちろん、です……!」

【第1ラウンド】

GM

あ、飛んでていいよ。

フォシア

わーい。

GM

ガラドアは最後の自我で何とか踏みとどまっている。しかし蟻に操られているだけあって、戦いはするぞ!

フォシア

ムーブアクションで近づいて、メジャーで《エアリアルレイブ》!(ダイスを振る)命中は10。

GM

(ダイスを振る)ガラドアの回避は8で失敗。

フォシア

2d+12で(ダイスを振る)19のダメージです!

アンネリカ

待機しますね。

ガラドア

「エル、ムン。殺れ……」

エルムン

「……はい、師匠!!」戦闘移動でエンゲージ。マイナーで《インビジブルアタック》メジャーで《バッシュ》します。(ダイスを振る)17!

GM

(ダイスを振る)14で失敗。ダメージどうぞ。

アンネリカ

魔法の方が通る気はするのだけど《ディスコード》エルムンさんでよい?

マーセイディズ

うんうん。いこうこう。

エルムン

任せる!

アンネリカ

では《ディスコード》で(ダイスを振る)2点ダメージ増加で!

エルムン

(ダイスを振る)28!

マーセイディズ

《サモン・フェンリル》!(ダイスを振る)13です。

GM

(ダイスを振る)14で回避成功。続いてガラドアの手番だ。マイナーで《スマッシュ》を宣言しダメージを強化。続けてメジャー《ブランディッシュ》で範囲攻撃、対象は勿論同一エンゲージにいるエルムンとフォシア!

フォシア

ひえっ。

アンネリカ

あっ、どっちか避けて避けて。

GM

(ダイスを振る)命中は12だ。

エルムン

(ダイスを振る)11で失敗。

フォシア

(ダイスを振る)20で回避成功!

GM

エルムン、覚悟はいいか!

エルムン

「……来いっ!」

GM

2d+9+9でダメージは(ダイスを振る)22だ!

アンネリカ

「サポートはまかせてください!」ダメージロール直後《プロテクション》で(ダイスを振る)11軽減!

エルムン

《ウェポンガード》を宣言! 防御中1回、物理ダメージを武器攻撃力の半分軽減します。受けたダメージはこれで……えっと、1!

ガラドア

「ッ!」

GM

キミの槍とガラドアの槍がつばぜり合いを始める。

ガラドア

「まだ、甘いな。だが、いい筋だ……」

GM

キミの槍裁きを見て、ガラドアはそう微笑む。

フォシア

親子対決かつ師弟対決……。

エルムン

「くっ……!」掠った。

アンネリカ

マイナーでMPポーション使用(ダイスを振る)7点回復。メジャーは《ジョイフルジョイフル》をエルムンさんに! (ダイスを振る)よし、クリティカルなのでコスト0。

エルムン

コスト0はでかい!

GM

これは後々響く。エルムンこい!

エルムン

ではふたたび《インビジブルアタック》続けて《バッシュ》いきます!(ダイスを振る)命中は17!

GM

(ダイスを振る)また14だわ(笑)。

マーセイディズ

固定値かな?

 槍がエルムンの頬を掠めた直後、反撃へと転じる。
 その動きは、既に知っていた。

エルムン

「この動きは……知ってる!!」(ダイスを振る)19のダメージです!「せいっ!!」コストが重くなってきた……!

ガラドア

「っ!」

GM

まだまだ!

【第2ラウンド】

GM

セットアップでガラドアが武器、ウィンドライダー改の効果を使用する。

アンネリカ

むお?

ガラドア

「ハァ……」

GM

槍を構え直す。ここからが本番だ。装備者の【回避】判定に+1、ラウンド持続。1点の差は大きいぞ。

フォシア

《エアリアルレイブ》で攻撃!(ダイスを振る)17!

GM

2D+6で(ダイスを振る)16で失敗。惜しい、1足りなかったか。

フォシア

うしっ。

エルムン

おー!

マーセイディズ

うわああこっわああい。

アンネリカ

やっぱ固定値2上回られてると怖いね。

フォシア

(ダイスを振る)ダメージは20です!

ガラドア

「……エルムン……」

GM

《最後の悪あがき》を宣言。リアクション-1Dし防御0としてこのラウンド中このエネミーのデータを扱うぞ!

アンネリカ

泣ける。

ガラドア

「みせてくれ……お前の、成長した、姿を……」

エルムン

「……うん、父さん!」《バッシュ》!(ダイスを振る)18!

GM

リアクションは-1Dされているので、どう足掻いても回避はできない──自動成功だ。

アンネリカ

そこに《ディスコード》します!(ダイスを振る)5のダメージ増加!

エルムン

「うああああああああああっ!!」フェイト1を使用!(ダイスを振る)合計で30のダメージ!

 エルムン渾身の一撃が放たれ、ガラドアの腹を貫く。

ガラドア

「ああ……エル、ムン──強く、なったな……」

 長い年月が経ちぼろぼろとなった鎧は見事砕かれ、腹部を貫通。そこに寄生していた蟻を討ち滅ぼす。
 がたりと、ガラドアの身体が崩れた。よろけて倒れるその身を、エルムンが優しく抱き留める。

エルムン

「……っ!」

ガラドア

「エルムンよ、よくやってくれた……」

GM

まだ、まだ、息はある。しかし、その身は徐々に朽ちていく。

エルムン

「父さん……!」

ガラドア

「この蟻どもは、人間を食糧とし、招き寄せている。奥に、女の子が、そうだ、あの子は、コーネリア。すまない……奥には、女王が、いる。女王の骨格は、堅いが、弱点がある……そこを、探れ」

GM

フリーアクションで《腹を狙う》を宣言することで女王蟻の持つ骨格スキルを無視しダメージを与えられる。その変わり命中判定達成値-1だ。

ガラドア

「ああ、そうだ」

GM

既に視力も失われているのか、おぼろげに手を天に伸ばすよ。

エルムン

手を握る。

ガラドア

「お土産が、あるんだ」

エルムン

「……!!」

GM

ガラドアが使っていた槍。PIGP104に掲載されているのウィンドライダーをLV1用に改造し、さらにフィルボルが使用する時のみ重量を5として扱う特殊武器だ。これを受け取るが良い。キミの筋力なら余裕でその槍を装備できるだろう。

エルムン

「……あり、がとう……うぅ……」

GM

そしてガラドアが持っていたMPポーション×5をどうぞ!

一同

おお! ありがたい!

ガラドア

「エル……ム……ン……」

GM

最期にその身が、完全に朽ち果てる前に強く抱きしめて。

ガラドア

「愛している──」

GM

ガラドアは天に召された。

エルムン

「父さああああああああああん!!」

アンネリカ

黙って祈りを捧げる。

マーセイディズ

「安らかに……」

フォシア

静かに見守る。

エルムン

「絶対に……仇は取るよ!」

GM

朽ちたガラドアの体から優しい光があふれ出る。それがキミたちの身へと宿った。さあ最後の戦いが待っている。ガラドアの思いを受け取り全員、HPMPが全回復し、さらにフェイト2点回復だ。既に上限の人はこれで上限を超えてもよいものとする。

アンネリカ

わあ……嬉しくて悲しい。

GM

悲しき再会を果たしたキミたち。しかし、女王のもとにコーネリアは囚われの身。

エルムン

自分の槍を墓標代わりに立てていく。そして形見の槍を装備します。

GM

その武器を装備した時、最期の声が聞こえた。この日はキミの誕生日でもあった──。

「誕生日おめでとう、エルムン。
大きくなったなあ」

GM

そう、声が聞こえて。泡のように、消えた。

エルムン

「っ……!」

マーセイディズ

「……ごめんなさい、もう少しお時間あげたいところですが、コーネリアを助けるのに協力していただけますか?」きっついよー。

フォシア

「報酬金は怪しくなっちゃいましたけど……そんなこと言ってる場合じゃないですよね……。仇、とらないと……!」画面がさっきからぼやけてですね……。どこまで泣かせるんですかお父さん。これは絶対に仇とらねば!

GM

では、各自アイテムを配分しまして、これより最終決戦……クライマックスフェイズへ移行する!

6│第一話「地底の王国」(6)

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