龍太郎

叔父さ~ん。
もう10時だよ。
起きなよー。
ほんとにもう行くよ。

正木

わりぃわりぃ。
んじゃ五分後、
又、起こしてくれ。
zzz~

龍太郎

もう出掛けるから
次はないよ。
いい大人なんだから
夜更かしばっかり……

正木

あー、
わかったわかった。
ん~だぁ?
どっか行くのか?

龍太郎

真悠ちゃんとこに
呼ばれてるんだよ。

正木

うそ……
おめぇらほんとに
そんな関係だったのか……
やるな。

龍太郎

ち、ち、違うよ!

正木

乳が違う?
どうゆうこった?
なんかエロいなw

龍太郎

アゲハちゃんもいるって。

正木

ふ、二人共か!?
最近のガキはまったく……

龍太郎

…………箱だよ。
あの箱が怪しいから
調べるんだって。
僕は鍵開け役。

正木

なんだそりゃ?
つまんね……。
まぁ、いいや。
大丈夫だろうが
ほんとにヤバイと思ったら
適当にケツまくれよ。

龍太郎

はいはい。
叔父さんも、
休みだからって
無駄使いしちゃ駄目だよ。
じゃあ、いってきまーす。

正木

ったく、
ガキ扱いすんじゃねーっての。
まぁ、
いつまで経っても
俺ぁガキだけどな。

正木

龍に起こされた時の……。
んーで今思い出すんだ?

正木

いや、箱か!?
龍の言ってた箱。
龍の失踪に、
るりと真悠の変死。
あの箱が原因なのか?

 さっき医者が警察に連絡してたけど、真悠の部屋の捜索はまだなはず。家族にゃわりぃが、どうせさっき真悠を運び出した時入ったんだ、行くか。

 あんまり気にしてなかったけどよぉ、確かに部屋の角で転がってる箱があった。やべぇ感じがする。ぶっ壊しておく必要がありそうだ。

 生徒の部屋に忍び込むなんざぁ、龍に知られたら何言われるか分かったもんじゃねぇ。



 ……いや、何言われたっていい。絶対生きてろよ、龍。

正木

って、あれ?

 馬鹿な!! 箱がねぇ!?



 必死だったから詳細まで覚えてねぇが、箱は確かにこの机の脇の床に転がってた。部屋の鍵なんざ掛けずに病院行ったから、誰でも入れたに違いねぇだろうが、一体誰が…………

正木

こいつぁ
確か……

 真悠へのプレゼント。俺が渡した救急箱と、おそらくるりが入れたあの本……。






 こんな置き方するか?










 何か作為的なもんを感じるぜ。

正木

なんだこりゃ?

 わけ分かんねぇ文ばっかじゃねぇか。見当違いか……。



 いや――――そうじゃねぇ。真悠は意味のない事は絶対にしねぇ。何か分からねぇがきっと意味がある。そう…………

これは

真悠からのメッセージ。











今は分からねぇけどよ。



確かに受け取ったぜ。

pagetop