ヤンキー

まぁホント、勉強会は散々だったけど、あのあと普通に猛勉強して大学受かってよかったぜ…

ヲタ

ホント。おめでとう。そういえば私も第一志望の大学に受かったわ。特別な勉強とかは特にしてないけど。

ヤミ

(~~~~~~)(ヲタに耳打ち)

ヲタ

えっ!!ヤミも第一志望合格したって!!おめでとう~~~!!

マッチョ

お~!なんだ!ここの4人はみんな志望大学に合格できてたのか!フンッ!めでたいな!

先生

お~。みんな、こんなところでなに黄昏てんだ。青春マンガの1ページか何かか

ヲタ

先生!

シーン5「卒業」

先生

なんだ。卒業前に皆で思い出話にでも花を咲かせてたのか

ヤンキー

まぁ…そんなトコっすね。こんなクセの強いメンバーでも、いざ別れるとなると寂しいものだなって

マッチョ

そっか!お前らともこれで話すのは最後かもな。フンッ!寂しくなるな。フンッ!

ヤミ

(~~~~~)(ヲタに耳打ち)

ヲタ

ヤミが「せいぜい元気でいろよ」だってさ。まぁ、お前らだったら大学行ってもどうせ元気にやってるだろ

先生

そうか…。みんなももう卒業か…。3年っていうのは早いな。…そうだな、ここは一つ、青春らしく、先生らしく、「贈る言葉」でも考えてみることにするか。

ヤンキー

………。

先生

まぁ、お前ら3年間この異彩高校で生活してきて分かった通り、世の中には色んなやつがいる。仮面をつけてるヤベェ奴、頭脳明晰なのにヲタクでちょっと残念な奴、クレイジーなほど筋肉を愛するバカ、根はやさしい真面目ヤンキー…

ヤミ

………。

先生

異彩高校は個性を重んじる高校だ。だから多少の個性の鋭利さは許されてきた。でも、大学、社会人となるとそうもいかない。時には、その「個性」が自分自身の障壁となって、社会に押しつぶされてしまいそうな時も出てくるだろう。

ヲタ

………。

先生

だけど、そういう時にこそ、思い出してほしい。君達が発揮してきた個性は、他の誰にも真似できない、かけがえない武器であること。みんなと生きていく中で、それぞれの個性を認め合って、この退屈な社会の中でも、自分自身が一番輝ける環境を、みんながそれぞれの手で作り上げていってほしい。先生はそう思ってる。

マッチョ

………。

先生

まぁ、ぶっきらぼうでテキトーな性分の俺としては、真面目なことを語りすぎちまったな。
…ま、それぞれの個性は違うとはいえ、お前ら4人、卒業後の進路は「同じ」なんだから、引き続き仲良くしろよな!笑

ヤンキー

え…???

ヲタ

ちょっと待って…?ヤミ、もしかして合格したのって、N大学…?

ヤミ

…(コク)!

マッチョ

マジか!!俺もスポーツ推薦で受かったの、N大学なんだが!!!!フンッ!!

ヤンキー

え…!?ちょっと待ってちょっと待って

先生

という訳でだ!!異彩高校、卒業おめでとう!そんで、ちなみに俺も、来年からN大学に非常勤講師として移籍することになったんだわ!笑 これからも改めてよろしくな!

ヤンキー

マジか…マジか…

ヤンキー

また、コイツらと一緒に過ごすのかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!

ヤンキーの雄叫びは、いつしかの雄叫びよりもずっと強く、遠くの山々に響いて消えていったのであった。

シーン5「卒業」

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