あ、ここ天国か

左様!死んだのです!

わあ、ハッキリ言われると
びっくりするなぁ

いや、順応早すぎだろコイツ…

ま、あんな炎で焼かれたら
死ぬだろ

何をしていたのですか

あ、ううーん

見てただけだよ?

見てただけで、
あんなことになりません!

んんー、
しくったみたいだね?

はい、しくったから
此処にいるのですよ貴方

……うん

君を、僕はずっと見てた

はい?
初対面ですよ?

あ、そう。まあ、そうだけど

何か覚えてるかな、天使様?

本当に何のことですか

整理しましょうか

貴方は、本物の叫喚を
描きたかった画家

貴方は、

――その為、火を放って
その校舎を描いた

それは、さぞ美しい絵だっただろう。

しかし、その絵を抱えたまま
天災画家は焼き尽くされたいた

ああ、そうなってたんだ

でも、何かを投げて放火?
君の記憶おかしくない?

君の記憶可笑しい…ではなくて、
ですねぇ!?

なんで、怒るの?

駄目です!

死んでしまっては、
何もなくなってしまうのです

そう?

なら、それはしては
いけないことかな?

当たり前です!

それ、
言うの何回目だろうね

君は、何かを探し求めるかのように、
様々な死因を繰り返して

僕の前に、現れる
死因が記憶喪失である不思議な人

――「天使」の変装をした、よく死ぬ彼女


それでいて、僕は、
否、僕が――

僕が、天使なわけなんだよ

わりと物騒な方の、だけどさ

あ、ここ天国か

そうです、貴方は死んだのです

いやぁ、
空を飛びたくなっちゃってー

貴方は、何で空を飛んだのですか

何でだろうね?
分かる?

貴方が分からないのに
そんなの、分かる訳ない
じゃないですか

おや、手厳しいなー?

しかし、

空を飛ぶという行為が
本当に出来るのなら、素晴らしいですよね

そうだね。
君はどうしてそう思うの?

……っ、
えっと…お恥ずかしいのですが…

……?

私、生前は
演劇をやっていたのです

いろんな事を知ってみたくて、
だから、いろんなことが出来れば

ー―それだけで、いいのです。

天使になってから
色んな人に会うお陰で
色々と分かってきました

――ああ

でも、まだまだ知らない感情が
ありすぎて

――ああ

それで、君は、
その感情の為に多くの自分を殺してきた――

……何の、ことですか
私は、もうずっと天使ですし、

死んだのは貴方ではないですか

ああ、ごめん。
気にしないで

君は、何度も何度も、自分を落として、
感情を手に入れて、演者になっていく。

勝手に、天使を死人扱いして、

自分は天使の変装までして、
天使だと思い込んでさ

いつか、君が僕の元からいなくなってから
天才子役と呼ばれる少女が現れるんだろうな


僕は、君を応援するべきか、
はたまた、君を殺し続けた君を許さざるべきか

まあ、本物の天使が
こんなだとは気付かないあたり、
まだまだ演者としては最低限?

ぐらいに、思っているのが今現状って感じである

「変装」天使と死人の変装かつ偏葬

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