ルミの目の前に黒いセダンが止まった。
運転席のサイドガラスが静かに降りると男が顏をのぞかせる。
もう限界よ!もう歩けない……
ルミの目の前に黒いセダンが止まった。
運転席のサイドガラスが静かに降りると男が顏をのぞかせる。
みっけ
あー、オオクボ!
やっと見つけたよ、奥さん
さっきはごめんね
やってくれたな、まだ痺れが取れない。
悪かったわ。でも仕方なかったのよ。あなたがあんな写真見せるから。許して、お願い。
いーや、許さない。絶対に。
どうしようっていうのよ!
オオクボは車から降りて、ルミの腕を強くつかんだ。
痛い!何をするのよ。
おとなしくクルマに乗れ!
私をどこに連れて行こうっていうの?
いいからとっとと乗るんだ
嫌よ、冗談じゃないわ!
待てよ、嫌がってるじゃねえか
ユウヤ
誰だてめえは!?
お前こそ何者だ? ルミをどこに連れ去ろうとしてる?
お前には関係ない、怪我したくなかったら今すぐここから消えるんだな
わからないおっさんだな
ナイフを構えるユウヤ
てめえ
死にたくねえなら、女おいて消えな
突然現れた黒服隊のパトロールカーが停止した。
なんだ!
うっ!
制服の男がドアを開け、車から降りるとオオクボとユウヤに向けて拳銃を構えた。
数発の銃弾が空気を切り裂く音が響く、同時に二人の男は路上に倒れこんだ。
遅くなりました、お怪我はありませんか?
大丈夫、なんともないわ
ではご自宅までお送りしますので車にお乗りください
ありがとう、助かったわ