■この物語に出てくる人物設定■

藤咲美坂(ふじさきみさか)

性別:女 年齢:17歳 身長:162cm 体重:45kg
血液型:AB型 一人称:あたし 二人称:あなた、~君、~ちゃん、~さん
好きな物:春、花、虫、自然、甘い物、美雄
嫌いな物:人が苦しむ姿を見る事、納豆、ミミズ
趣味:花を見る事
家族構成:父、母、妹 誕生日:10/11
髪形など:黒髪のロングヘアー

聖瑠璃安学園に通う女の子。三年生。茶道部所属。
性格は優しく、おっとりしている。芯は強い方。
美雄の双子の姉で、いつも仲良しで、いつも一緒にいる。
ひっそりと秋の恋を応援していたりもする。

藤咲美雄(ふじさきみお)

性別:女 年齢:17歳 身長:164cm 体重:50kg
血液型:AB型 一人称:おれ 二人称:おまえ、呼び捨て
好きな物:本村春、美坂、本村秋、サッカー、オムライス、肉
嫌いな物:勉強、野菜、美坂をいじめる人
趣味:サッカー
家族構成:父、母、姉 誕生日:10/11
髪形など:黒髪のショートヘアー

聖瑠璃安学園に通う女の子。三年生。サッカー部所属のマネージャー。
美坂の双子の妹で性格は短気で明るく、がさつ。
春が小さい頃に告白してくれているのを覚えているおかげか、
春の事が好きだが、よくケンカをする。
美坂の事が大好きでいつも一緒にいたりする。シスコン。
あと、友達思いなので秋の事も(友達として)好き。
運動が得意でサッカーが大好き。逆に勉強は嫌い。

本村秋(ほんむらしゅう)

性別:男 年齢:17歳 身長:178cm 体重:60kg
血液型:A型 一人称:僕 二人称:お前、呼び捨て
好きな物:美雄、母、弟の春、サッカー、絵画、スクランブルエッグ
嫌いな物:父、スランプ、争い、わさび
趣味:アート、絵画鑑賞、サッカー
家族構成:父、弟 誕生日:6/9
髪形など:金髪のショートヘアー

聖瑠璃安学園に通う男の子。三年生。美術部所属。
春の双子の兄で性格は落ち着いていて、真面目。
藤咲姉妹とは幼馴染で昔から美雄の事が好き。
運動は普通くらいだが、勉強の方は凄くて頭がいい。
春に嫌われているが、秋は春を大切に思っている。
ちなみに父の事が嫌いらしい。

本村春(ほんむらしゅん)

性別:男 年齢:17歳 身長:178cm 体重:60kg
血液型:A型 一人称:俺 二人称:てめぇ、呼び捨て
好きな物:母、サッカー、運動、ハンバーガー、フライドポテト
嫌いな物:勉強、兄の秋、猫、ピーマン、ニンジン、川
趣味:サッカー
家族構成:父、兄 誕生日:6/9
髪形など:金髪のショートヘアー

聖瑠璃安学園に通う男の子。三年生。サッカー部所属。
秋の双子の弟で、口が悪く、ぶっきらぼう。
藤咲姉妹とは幼馴染。
美雄の事をうざがっている。
秋とは逆で運動が得意で、勉強は苦手。

 今から話すのは、ある姉妹とある兄妹の話だ。
ある姉妹というのは、藤咲美坂という双子の姉、藤咲美雄という双子の妹の事。
ある兄妹というのは、本村秋という双子の兄、本村春という双子の弟の事。
この四人は幼馴染で、昔から仲が良かった。
よく四人で遊んだりとかしていたとか。
ちなみに今は四人とも、聖瑠璃安学園という学園に通っている。
もう全員十七歳で三年生だ。
まさに青春している時期とも言えるだろう。
それでは、話を始めよう。
男女の恋の物語を――

「おっす、おはよー! 春!」

 元気に挨拶をするのは、美雄。
どうやら、春に話しかけているみたいだ。
春は、それを見て面倒くさそうな顔をする。

「ああ? 何だ、てめぇかよ。……おはよ」

 そう春がうざかっていると、遅れて秋と美坂がやってきた。

「おはよう、春君」

「お、おう。おはよう、美坂」

「春、お前……美雄に迷惑かけてないだろうな?」

「何言ってんだよ、秋。コイツから、話しかけてきたんだよ」

 はぁ、とため息をつく春。
春はぶっきらぼうな性格で口が悪い。
昔はそうではなかったのだが、ある日を境にこうなってしまったのだ。

「あと、おはよう。美雄。今日も元気いっぱいだね」

「おう! おれは元気だぜ!」

 秋が挨拶をすると、美雄はニッコリ笑ってそう答えた。
美雄は「おれ」という一人称だが、れっきとした女である。
ただ、活発で勝気な性格の上、男言葉なので男に間違われる事もあるが。

「美雄は本当に元気よね。あたしも見習いたいところだわ」

「美坂まで、褒めんなよ~。照れるじゃん」

「……おい、コイツをあんまり褒めんな。調子に乗るかんな」

「何だと!? 春、もういっぺん言ってみろよ!」

「コラコラ、美雄と春。ケンカはダメだぞ」

 いつも、美雄と春はケンカをする。
でも、美雄はこうしてケンカをするのは嫌いではない。
――春に自分を見てもらえてる証拠だから。
そう、美雄は春の事が好きなのだ。
だが、春は美雄の事はうざがっている。
……彼は美雄の事はあまり好きではないらしい。

「おーい、ホームルームを始めるぞー! 席につけー!」

 そんな時、担任の先生がやってくる。
四人はそれぞれ、自分の席に戻った。

 そして、放課後。
美雄と春はグラウンドに向かった。
春はサッカー部で、美雄はサッカー部のマネージャーで、学園がある日は毎日のように部活に行っている。

「よーし、本村ー! これをやってくれー!」

「分かりました!」

 顧問の先生に言われ、春はその練習を始める。
美雄はそれを見ながら、ベンチに座っていた。

(やっぱり、春ってカッコイイよな……昔、おれに告白した男なだけ、あるぜ)

 美雄は昔の事を思い出す。
そう、あれは小さい頃の話だ。
美雄がいつものように春と遊んでいた時の事。
この時に、春は美雄にこう言ったのだ。

『みお、ボク……みおのこと、スキだ。ショーライ、おヨメさんになってくれる?』

 これが春の告白だった。
美雄はそれを聞いて、驚く。

『おヨメさん!? お、おれでいいのか!? い、いいぜ……おまえがいいなら』

『じゃあ、約束だ』

『おう!』

 二人は指切りをする。
いつか、結婚する約束をして……

(でも、今はもう覚えてないだろうな……春。今の春はすっげー冷たいし)

 それなら……また告白すればいい話。
好きなら、ガツンといかないといけない時もある。
――今度、そうしよう。告白するんだ、絶対に。
美雄はそう思った。

「おーい、マネージャー! ドリンクを持ってきてくれー!」

「はーい! 分かりましたー!」

 顧問の先生に呼ばれ、美雄はドリンクを運びながら走った。

「……美雄……」

 ここは美術室。
美術室には秋がいた。
秋は美術部に所属していて、よくサッカー部の様子を見ている。

「……美雄はいつも、春の方を見てるな……」

 秋は、それを見て落ち込んでいた。
彼は美雄の事が昔から大好きで。
だから、切ない気持ちになってしまう。
こちらの方をちっとも見てくれない美雄。
美雄はどうしたら、こちらを見てくれるのだろうか。

「秋君、どうしたの?」

「あれ、美坂。お前、茶道部は?」

 突然現れる美坂に驚く秋。
美坂はこれでも茶道部に所属している。
美坂の作ったお茶は美味しいと評判らしい。

「茶道部は今日、お休みなの。だから、美雄を待とうと思って。秋君は美雄を見ていたの?」

「……うん、まあね。相変わらずだなぁと思って」

「秋君は美雄の事が好きだものね」

「美坂は好きな人とかいるのか?」

 急な質問に美坂は顔を赤くする。
どうやら、これは好きな人がいるみたいだ。

「いるわよ。……秋君もよく知っている人」

「もしかして、春か?」

「……ええ、そうね」

 美坂もまた、春が好きだ。
でも、美雄と違って美坂は積極的になれない。
これも、性格が災いしているんだろう。

「春は確かに根はいい奴だからな。美坂が好きになるのも分かる」

「……サッカーしてる時の彼は輝いてるように見えるわ」

そう、美坂はサッカーをしてる時の春が好きなのだ。
茶道部が休みな時はサッカー部を見学しているくらい、彼が好きなのである。

「そうだな。……僕も、サッカーを昔してたけど下手くそだったしな」

「美雄に下手くそって言われてたわね」

「……はは……」

 美坂にそう言われ、秋は苦笑いをする。
昔にそんな事あったな、と思いつつ……

「秋君、あたしは応援してるわ。美雄と結ばれるといいわね。昔から、好きなんだものね」

「美坂も頑張れよ。春、絶対にお前に気がありそうだしな」

「うん。美雄には悪いけど……ね」

「……そうだな」

 美雄は春が大好きだから、美坂も心苦しいのだろう。
美坂もまた、妹の美雄が好きだから。

「あ、そろそろサッカー部終わったみたいね。あたし、もう行くわね。それじゃ」

「ああ、またな。美坂」

 美坂はそう言って、グラウンドへ向かうために美術室から出て行った。

 帰りの話。
美雄は美坂と一緒に帰っていた。
その時、こんな話が出たのだ。

「美坂ー、おれ……春の事が好きなんだよな」

「そうなのね……」

 美坂は言わなかった。
自分が春の事が好きだという事を。
言ったら、美雄が傷つくかもしれないと思ったから。

「だから、今度告白しようと思う」

「!」

 美坂はそれを聞き、驚いた。
まさか、美雄がそんな行動に出るとは思わなかったから。

「それで、昔の事を思い出させるんだ」

「……美雄、それは」

 美雄に対し、ある事を言おうと思ったが、言いかけて終わった。
これは彼女にとって、どう思うか分からないからだ。

「よし、家に着いたら、色々と考えるぜ!」

「……」

 美坂はそれ以降、何も言わなかった。

 そして、ある日の事。
美坂は春に呼び出しされた。

「春君、あたしに何か用かしら?」

「……用もねぇーのに呼ぶはずないだろうが」

「それもそうね」

 クスッ、と笑う美坂。
その笑い方に春はドキッとしていた。

「それで、用事って何かしら?」

「えーっとな、俺……てめぇの事が……」

「うん?」

「す、好きなんだよ! ずっと、前からてめぇが大好きだった!」

「春君……」

 この時、美坂は嬉しい気持ちと共に、複雑な気分になった。
――この場面を美雄が見ていたら、どうしよう。
そういう不安があった。

「で? 美坂はどうなんだ? 俺と付き合おうと思うのかよ」

「あたしも……春君の事、好きだから嬉しい」

「美坂……!」

「……わっ、春君……っ!」

 急に春が抱きしめて来たので、美坂は驚く。

「美坂に好きと思っててもらえるなんて、すげー嬉しい。俺、美坂を大事にするからな……」

「春君……」

 そんな時、何か物音が聞こえた。
その物音が聞こえる方を二人が見ると……

「美雄!?」

 そう、美雄がいた。
美雄は顔をぐちゃぐちゃにしながら、泣いている。

「……おれとの約束、忘れちまったのかよ! 春!」

「は? 何の話だよ」

「昔、おれの事を好きって言ってたじゃねぇーか!」

 泣きながら、大声で叫ぶ美雄。
美坂はそのやりとりを見守る事しか出来なかった。

「……んな事、俺は言ってねぇーぞ。それは、てめぇの勘違いだ」

「うそ、だろ……じゃあ、おれに結婚しようって言ったのは……」

 あの時の告白は春ではなかった。
……秋の告白だったのだ。
二人は似ているので、美雄は勘違いをしていたらしい。

「秋……だったのかよ……うそ、だろ……」

「ようやく気付いたか。遅すぎなんだよ、てめぇ」

「春君、何もそこまで言わなくても!」

「美雄、秋の気持ちをずっと気づいてなかっただろ。だから、俺はてめぇに冷たくしてたんだ。それでも、てめぇは気づかなかった。馬鹿か」

「春君!! 言い過ぎよ!!」

「っ……! 春のバカヤローッ!!」

 美雄はそう叫んで、どこかへ行ってしまう。
美坂は「美雄!」と言って、追いかけようとするが春に止められる。

「美坂、アイツは秋に任せておいとけ」

「でも……っ!」

「秋の事、信用出来ないのかよ」

「……分かったわ」

 美坂は美雄が心配だったが、秋に任せる事にした。

「チクショーっ、チクショーっ! おれは今まで、何やってたんだよっ」

 美雄は一人で泣いていた。
まさか、大好きだと思っていた春が告白した人じゃなくて。
しかも、春は美坂が好きで……
何が何だか分からなくて、頭の中がぐるぐると回る。

「美雄、大丈夫?」

「秋……」

 美雄が泣いている間にどうやら、秋がこちらにやってきていたらしい。
当然、泣き顔は見られている。

「秋……お前に聞くけど、おまえがおれに告白したのか? 昔に」

「……ようやく、気づいてくれたんだ。そうだよ、あの時に告白したのは僕だ」

「秋……ごめん……今まで、気づかなくて……」

美雄は秋に抱き着く。
秋はその美雄に対し、頭を撫でる。

「僕は昔から、美雄の事をずっと想ってた。でも、美雄は春が告白したと思い込んでて……何も言えなくて……」

「……秋……」

「ごめん。早くに言えば、お前がこんな悲しい目にあわずに済んだのに……」

「……おれこそ、ずっと気づかなくて……ううっ」

「泣くなよ、美雄。僕はいつもの美雄が好きだ」

 秋は優しげな表情でそう言った。
美雄はこの時、感じた。
この表情は昔と変わらない、と。
――あの時の表情だ。告白してくれた時のあの表情。

「……でも、ごめん。秋。おれ、まだ頭の中で整理出来てないんだ」

「そんなに焦らなくてもいい。お前のペースでいいんだ」

「秋……有難う。少しずつでも、おまえを好きになりたい。……言ってくれたあの言葉のためにも」

 美雄はぎゅっと秋を抱きしめる。
秋もそれに応えるかのように、抱きしめ返した。

「……有難う、美雄。大好きだ」

「……うん」

そのあとも、秋と美雄は抱きしめあっていた。

 以上が、この四人の物語だ。
この四人の物語を語ったが、他にもまだ物語はある。
どれも、瑠璃色のような穏やかな一日。(今回は穏やかではなかったが)
そして、この四人の話はまだ始まったばかりだ。
また、どこかでお会い出来たら……
その時はまた違う話をしよう。

-FIN-

第一回:藤咲姉妹と本村兄妹の話

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