夏が始まる

柴野一樹

お、おい!離せって

石田弘大

まぁまぁ!!

石塚賢治

謝るにはいい機会じゃねぇかよ

柴野一樹

どこがだよ!!

藤宮隼人

うぉ
柴野!?

朝倉葵

え?

柴野一樹

……

柴野一樹

よぉ

石田弘大

へいへいへ~い!
お二人さん
一体こんなところで
何してるんだぁい!?

石田弘大

デートか!?
デートの帰りか!?

石塚賢治

お前は邪魔してぇのか!

石田弘大

デートの?
当たり前じゃん

石塚賢治

柴野のだよ!

藤宮隼人

デートじゃねぇぞ?

石田弘大

じゃぁなんで
二人して

藤宮隼人

う~ん
そうだなぁ

藤宮隼人

今日、偶然会ったんだよ
朝倉と

藤宮隼人

そんで
そのまま朝倉の買い物に付き合ってたわけ

石塚賢治

暇人かお前

藤宮隼人

うるせぇ

朝倉葵

……

藤宮隼人

ところで、何の用だ?

藤宮隼人

何か用があるんだろ?
柴野

柴野一樹

お前

柴野一樹

はぁ

柴野一樹

朝倉

朝倉葵

っ!!

柴野一樹

この間は……
酷いコト言っちまったな……

朝倉葵

……

柴野一樹

その……なんだ……

柴野一樹

すまなかった!!
あんなこと言って……
今更だが……

柴野一樹

本当にすまなかった!!

朝倉葵

……

柴野一樹

許してくれなんて言わない
ただ、俺は……

柴野一樹

……

柴野一樹

もう、お前を傷つけるような
真似はしない
絶対に……

柴野一樹

それが言いたかったんだ……

朝倉葵

……

藤宮隼人

朝倉っ

朝倉葵

う、うん

朝倉葵

ふぅ

朝倉葵

柴野くん、これ

柴野一樹

へ?

朝倉葵

今日、私が買った本
あげる

柴野一樹

え?いや、なんで

朝倉葵

私が選んだの
柴野くんに気に入ってもらえるような
ものを

朝倉葵

是非、読んでほしいなって……

柴野一樹

お、おう……

柴野一樹

お前、今日はそのために

朝倉葵

そうだよ

柴野一樹

なんで、そんなこと……

朝倉葵

だって、それは……

朝倉葵

だって……

朝倉葵

だって、私は!!
柴野くんのコト!!
ペットだなんて
思ってないから!!

柴野一樹

っ!!

朝倉葵

友達だって
思ってるから!!

朝倉葵

だから、私は!

朝倉葵

これからも、柴野くんの
友達でいたいって……

朝倉葵

思ってるから……

朝倉葵

この学園で出来た
初めての友達を……

朝倉葵

失いたくないの!!

柴野一樹

お前……

藤宮隼人

その本は友情の証だっ

藤宮隼人

お前の好きそうなのを
選ぶのは苦労したんだぜ?

藤宮隼人

けど、朝倉は自分の知っている
柴野を頭ン中から絞り出して
必死で選んだんだ――その本をな

柴野一樹

……

柴野一樹

初めての友達か

柴野一樹

何も知らないで
偉そうなコト言っちまった……
最低なコトしちまった……
本当に……どうしようもねぇクソだ

柴野一樹

顔上げてくれ朝倉

朝倉葵

う、うぅ……

柴野一樹

ありがとう
大切にする……

朝倉葵

!!

柴野一樹

もし、お前が許してくれるのなら

柴野一樹

俺とまだ……
――友達でいてくれるか?

朝倉葵

うん!!

石塚賢治

ふう、ヒヤヒヤしたぜ

藤宮隼人

俺もだよ!

石田弘大

だけど、よかったね!
仲直りできて

檜山千秋

あぁ

藤宮隼人

もう、喧嘩すんなよぉ

朝倉葵

ぜったい、しない

石田弘大

そんじゃぁ!
仲直りもできたことだし
飯にしますかぁ!

石塚賢治

お前らも来るか?

藤宮隼人

いいぜ!

朝倉葵

行く

柴野一樹

今日は、ありがとな

石田弘大

いいってことよ

石塚賢治

で、仲直りした感想は?

柴野一樹

良かったと思ってるよ

石田弘大

えぇ、それだけぇ

柴野一樹

そりゃぁ、思ってることは
いっぱいあるけどよ

柴野一樹

それは、お前らに言う必要はねぇだろ

檜山千秋

そうだね

石塚賢治

友達の先は
まだまだ険しい道のりだな

柴野一樹

へいへい

結城レイ

おっはよ~

石塚賢治

うっす

結城レイ

生徒会どうだった?

石塚賢治

楽しかったぜ?
アイツら、結構可愛いし
水着だったし

結城レイ

いいなぁ
私もプール掃除したかったなぁ

結城レイ

お、お姉ちゃんが来てなかったら
だけど

石塚賢治

あ?

結城レイ

なんでもないよっ

瀬川春奈

ふ~ん
可愛いだって

瀬川春奈

何の話?

石塚賢治

あぁ、昨日のプールそう

瀬川春奈

石塚君には聞いてないよ?

石塚賢治

ひぃ!!!

檜山千秋

……神崎さんのせいで
石塚も大変だね

神崎美桜

さぁ、何のコトかしら

神崎美桜

悪魔め!!

柴野一樹

瀬川も満更じゃなさそうに見えてきたな

石田弘大

そうかなぁ?

石田弘大

春奈ちゃんの賢治に対する視線
汚物を見る目だよアレ

檜山千秋

誰かさんのせいで

神崎美桜

わかった!!わかった!!
私が悪かったわよ!!

栗原あや

センパ~イ☆
おはようございまぁす!!!!

柴野一樹

こいつ、マジで
毎朝くるな

栗原あや

あぁ?
文句あんのかぁ?
やるかぁ?

柴野一樹

いや

柴野一樹

無視する
バカが移るからな

栗原あや

けっ

藤宮隼人

柴野が止めてくれればなぁ

栗原あや

ほ、本音っすか!?
センパイ☆!?
ちょっ

石田弘大

しょうがない
俺が相手してあげようじゃないの!

栗原あや

は?誰?

石田弘大

石田、弘大って言います

理事長

そう、それは良かったわ
紹介した甲斐があったわね!

結城レナ

えぇ、感謝します理事長
おかげで無事にプール掃除を終えました

理事長

あと、これはお母さんとして
聞きたいんだけどね

結城レナ

はい?

理事長

それで、彼らと仲良くなったの?
レナ

結城レナ

えぇ、まぁ
それなりには打ち解けたと思いますが

理事長

そう良かった!

結城レナ

他の生徒会のメンバーも概ね良好な関係が
築けていたと思いますよ?

理事長

まぁ

理事長

それじゃぁ、話しても大丈夫そうね

結城レナ

え?

理事長

いい?レナ
彼らはね――――

石塚賢治

あぁ、夏休み何すっかなぁ

石田弘大

旅行しようぜ!!

柴野一樹

ここに召喚されたのが
旅行みてぇなもんだろ

檜山千秋

そうか、もうすぐ夏休みか

石塚賢治

そうだぜ!?
この年でまた夏休みを味わえるんだぜ!?

石田弘大

そう思うとわくわくするね!

石塚賢治

あぁ?つってもお前は大学生だろ?
人生の夏休み中じゃねぇか

石田弘大

まぁ、そうなんだけど

結城レイ

あらあら、楽しそうに
何のお話ですかぁ

石塚賢治

あれ、どうしたの?レイちゃん

結城レイ

それは、ですね

結城レイ

休日に隼人くんと朝倉さんが
デートしてたって話!!!聞いたんですよ!!

石塚賢治

……

檜山千秋

……

そういえば……
レイちゃん蚊帳の外だったね

結城レイ

もう、何か知りませんかぁ?
私心配で心配で

石田弘大

大丈夫!俺たちがいるから!

結城レイ

全然、信用できないんですけどぉ

石塚賢治

まぁ、俺らも事情は知ってるからさ
教えてやるよ

結城レイ

ホントですか!?
やったぁ!

結城レイ

やっぱり、賢治くん達は
頼りになるね!

石田弘大

えぇ、信用できないって
言ってたじゃん

結城レイ

それは、弘大くん限定

石田弘大

ひでぇ!

結城レイ

あはは
冗談ですよぉ

結城レイ

あ、そういえば
もうすぐ夏休みですね!

石塚賢治

あぁ、その話
俺らもしてたところ

結城レイ

楽しみだなぁ!
海にプールに花火大会!!

結城レイ

是非、みんなで行こうね!

石塚賢治

レイちゃんとかぁ
なんか、色々トラブりそう

柴野一樹

確かに

結城レイ

えー、何でですかー



そりゃぁ、アニメの世界だしなぁ

関係ないですよー!

アニメの世界つうか結城だし

私も関係ないですよー!

俺は別に

ありがとう!檜山くん!!

え?それじゃぁ、檜山とデート!?

ええ!私、そんなつもりじゃ!!

いや!俺もそういうつもりないから!

へいへい

って!チャイム鳴りましたよ!?

そんじゃ、戻るか

えぇ!!隼人くんと朝倉さんの話はぁ!?


んなもん、後だよ

んなもんってぇ!






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