それでも、彼女は
ヒロインだった
それでも、彼女は
ヒロインだった
いいのかよぉ、一樹
それでさぁ
わりぃ
昨日の今日で謝るなんてコト
できねぇわ
葵ちゃんにビビってんのか?
かもな
まぁ、あれだけのコトを
言っておいて
直ぐに謝るなんてできないよね
彼女、かなり傷ついてるみたいだし
確かに……今日はずっと
自分の席で下向いてたもんな
声をかけるのは簡単だ……
けどよ……
それだと、あまりにも
俺にとって都合が
良すぎるんだよ……
それこそ……俺が
アイツのコト……自分のペット
くらいにしか思ってねぇみたいじゃねぇか
一樹、難しく考えすぎない方がいいよっ
だな、増幅作用ってのに
飲み込まれちまうぞ
あぁ……
石塚君……
やっぱり、男の子なんだね
へっ!?
女の子がいないと
陰ではあぁいうコトもするんだね
ま、まぁ
それは仕方のないコトなんじゃない?
仕方がないにしても
美桜は嫌な思いしたでしょ?
そ、それは
たまたまで!
隼人もさぁ
卑猥な話してるのかなぁ
友達と
さ、さぁ
どうかしら……
……それよりも、朝倉さん
大丈夫かしら……
それに、用事ってなんだろう
用事?
隼人だよぉ
あぁ
それは、たぶん……
朝倉さんの
勉強熱心だなっ
相変わらず
勉強じゃなくて読書
あぁ、そうだったか
いつも、この時間は
柴野の勉強みてやってるだろ?
だから、今日も勉強してるのかと思った
……柴野くん
朝倉っ
……なに?
柴野と何かあったのか?
……
なにも……
そっか
……
なんか、今日の朝倉は
元気なさそうだったから
ちょっと心配してたんだよ
私を心配?
そう
それに、放課後も柴野とは別々だったし
お前ら仲いいのに
何があったんだって思ってさ
仲良くない
まぁ、そういうなよ
……
何もないならいいんだけど
うん
けど、何かあったら
俺はいつでも相談に乗るぜ?
っ
友達としてな
ともだち?
いや、あまりしゃべったことはないけど
クラスメイトだし
まぁ、友達ということで
う、うん
よし、んじゃ
俺は帰るわ!
うん
ともだち
つづく