休日の女子

アマンド

ねえ、リーナ?

ベルリーナ

何でしょう?

アマンド

最近…サヴァランからの誘い、ちゃんと受けてる?

ベルリーナ

どうしてですか?

アマンド

だって…最近週末絶対私と過ごしてるじゃない?あそこまでリーナのこと好きなら、週末なんて絶好のデート日を逃すわけがないと思うんだけど

ベルリーナ

断ってます

アマンド

そんなあっさり!

ベルリーナ

アマンドさんと一緒にいた方が気が楽ですし…何より楽しいですから

アマンド

そう言ってくれるのは嬉しいけど…

ベルリーナ

それに…ブリュレさんには、私以外にも沢山いるでしょう。何も私じゃなくてもーー

アマンド

あなたじゃなきゃダメなのよ!!サヴァランは、本当にあなたの事が好きなのよ?女っ気がないどころか、他人にあまり興味を持たなかったあのサヴァランがこんなに…

ベルリーナ

他人に興味を持たない…?どういう事ですか?ブリュレさん、あんなに友好的じゃないですか

アマンド

へ?…あ…そっか、リーナは昔のサヴァランを知らないのね…

ベルリーナ

昔の…?

アマンド

ええ。サヴァランね…彼、中学生の時までは凄くおとなしい子だったの。あの通り顔は良いけど、あまり周りを寄せ付けない雰囲気とかあって…いじめられては無かったけど、ちょっとハブられたりしてた

ベルリーナ

嘘…?

アマンド

彼の家、キャンディショップでしょ?あそこ結構長く続いてるみたいで、ゆくゆくはサヴァランもそこを継ぐ予定のはずなんだけど…

ベルリーナ

そう言えば……練習してる様子が全くみられないのですが…

アマンド

…中3上がってすぐの時、進路のことでお父さんと大喧嘩したんだって。あの時はびっくりしたわ…顔におっきい湿布貼って登校してきたんだもの

ベルリーナ

どうして、そんな事が…?

アマンド

あの時のことは、本人もあんまり話してくれないから分からないんだけど…

アマンド

『ちょっと反発したら殴られた』だって

ベルリーナ

それだけで…?

アマンド

それだけで殴ってくる人じゃないと思うんだけど…でも、何かあったのは事実ね。それから、サヴァランは一気に成績も良くなったし、人当たりもすごく柔らかくなった…まるで、吹っ切れたみたいだったわ

ベルリーナ

…家業を継ぎたくない…とか、言ったのでしょうか…

アマンド

うーん…やっぱりそうなのかなぁ…

ベルリーナ

やっぱり?

アマンド

お菓子作り自体は嫌いじゃないみたいなの。キャンディの新作だって考案してるし、自分でお菓子作って持ってきたりもするし…それもすごく美味しいの

アマンド

特に、凄く簡単に出来るやつだけど、胡桃のキャラメリゼがすごく美味しくって…!今度またねだっちゃおうかな~って思ってるの!

ベルリーナ

胡桃のキャラメリゼ…

アマンド

あ、キャラメリゼと言えば…怪盗キャラメリゼが出てきたのも、ちょうどその頃だったわね…感化でもされたのかしら

ベルリーナ

……そうですか

アマンド

ねえ、今度2人でお願いしてみようよ!胡桃のキャラメリゼ!!

ベルリーナ

……ええ、そうですね。そこまで美味しいというのなら…食べてみたいですし

アマンド

うふふ、決まりね♪楽しみ~!

ベルリーナ

豹変したブリュレさん…怪盗キャラメリゼの出現……間違いなく、関係あるのでしょうね……動悸といい、私を好きだと言い張ることと言い……

ーーあなたは、本当に謎だらけですね…
サヴァランさん

ゆめゆめ

『将来の夢は?』

何度聞かれても、何度も同じ答えだった。
変わらないはずだった。
変わってはいけないものだと思っていた。
でも、その期待は
成長すればするほど大きくなった。
未来を担うなんて、そんなことしたくない。
こんな早いうちから決められたくない。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

ーー決められた道を歩いて
ゴールで死ぬくらいなら
今死んだ方が
周りをあっと言わせることが
出来るんじゃないのか…?

それなら、俺はーー

サヴァラン

あっつ…!!

サヴァラン

うわ…焦げてる!!

サヴァラン

……ああ…

やり直しだ

Replay?

pagetop