柳!!
…………っ!!
…………
何故……何故柳生殿を撃ったのですか
久道様!!
それはこちらの台詞だ。貴様らは何故誰も目の前にいる鬼を討とうとしないのだ?
……………
柳生殿は可能な限り平和な解決を望んで鬼の将と一騎討ちをしていたんです! そこに横やりを入れるのは武士として………!!
蘭、無礼であるぞ。控えよ
父上……!?
柳生殿? 貴様らは一体何を見ておるのだ? 目の前にいるのは「柳」というおぞましい鬼、ただの人でなしだ。手をこまねいておる必要がどこにあるというのだ?
…………っ!?
…………
そん……な…………っ
久道様、要請通り奥田忠孝殿、楠木昌虎殿の援軍が間もなく到着する模様です。東西から挟み撃ちにできるかと
うむ。よくやった
島殿、いつの間に………
我が主は、あくまで「松尾家当主」のみです故
奥田家に楠木家……今まで妖怪との戦に難色を示していた機内の大名が此処に進軍しているというのか
茶番は終わりだ!! これより松尾家次期当主である久道が指揮を執る! 妖怪を殲滅せよ!!
…………っ
…………
…………っ!!
承知! すぐに体制を整え、進軍いたします!
人でもない妖怪に一切の慈悲など無用!! 雌だろうと情け容赦なく殺せ!! この平原を山を奴らの血で染めるのだ!
この戦で、妖怪を根絶やしにせよ!!
最初から……柳ごと妖怪を討つつもりだったんですね………!!
……忠政殿、進軍の仰せだ。儂らも行かねば
こんな……こんな惨事のために馳せ参じたのでは…………
こりゃさすがにやばすぎるぞ……楓、急いで山まで戻るぞ。そいつ運べるか?
はい……柳、立てる?
…………っ
…………
爺さん、今は山に下がれ。山の中で迎撃するならまだ俺達に分があるはずだ。ここで血気に任せても死に損だぜ?
……それは嫌じゃな
妖怪軍、山に退き始めた模様
追いかけますか?
よい。山は奴らの巣であり城。下手に攻め込んではいらん犠牲を出そう
では、尚更今攻めねば………
……島、用意はできたか?
ぬかりなく
何をされるおつもりかな?
山は奴らの巣であり城だと言っただろう? 秀政よ、城攻めの基本は何だ?
籠城している敵の兵糧を奪う、もしくは外部からの供給を絶つこと……
………まさか!?
あの山は機内の最大の汚物だ。人でもない者どもがのさばり、人間を脅かしてくる。この世で最も不要な存在だ……ならば
あんな山、いらないだろう?