〈 動物にも神はいる 〉

暇を持て余し過ぎて堕落したクズ神々は
今日も仲良く卓を囲んでいた。


これは愉快痛快、生産性皆無なお噺である。

注意 : コメディです。



遥か雲の上、地球と宇宙のその狭間に彼等は床を構えていた。

いや狭間ってどこだよ、という反駁(はんばく)紛いのツッコミはご遠慮頂こう。狭間は狭間なのだ…あまり深くは聞かないでくれ。



そのファンタジックでメルヘンな狭間で月に一度、とある者達が定例会を開いている。その見かけは人のそれではなく、全身を毛が覆い、大きな耳が生え立派な角を持つ者や、中には色とりどりの羽を自慢げに主張する者も。




そう———彼等は〈動物〉の神々であった。


ペンギンの神

ねぇ聞いてくれない?ペンギンたちが僕のことぜんぜん敬ってくれないんだ〜

ウマの神

うわ、出だしからそんなヘビーな話ぶっこんでこないでくれる!?なんか重いし辛い…!ペンギンのくせに!

ペンギンの神

だって昨日の夜に南極帰ったら巣が無くなってたんだよ?壊されて。

ウマの神

君、神様なのに南極住んでるの…?

ペンギンの神

ペンギンだからね。


丸い卓を囲みペンギンの神は茶碗のお茶を啜ろうと、クチバシを程よい湯加減の中へ突っ込む。


しかし飲めない。なんせペンギンだから。


ウマの神

君、一応それでも神様なんだからしっかりしなよ。

ペンギンの神

ペンギンなのに羽持ってるんだよ?敬わない理由がなくない?こんなに神々しいのに。

ウマの神

きっとそういうところだよね。

ペンギンの神

飛べないはずのペンギンの夢を背負って神様やってるのにヒドいんだみんな。僕のこと鳥って言うんだ……ペンギンなのに。

ウマの神

でもペンギンって元々は鳥類でしょ。

ペンギンの神

え、そうなの…?

ウマの神

なんでウマの俺よりもペンギンの君がペンギンに無知なわけ?

ペンギンの神

だって僕ってばペンギンはペンギンでも神様っていうカースト上位ペンギンだからさ〜

ウマの神

いやほんとにそういうところが反感買うんじゃないかな。

神、集まる。

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