チッ……
まあ、「魔法を使わない」ただの物理攻撃は止めてないからな
当初の計画が完全に狂っちまったな
本来、あんな途方もない吹雪なんざ想定してなかったからな。
お蔭で増援無しだ
こいつは、ノフ=ケー様を討った罰が当たっちまったな?
あぁ、直接手を下すのはこれだから嫌いだ
……それでも、まだもうちょい余裕はあるはずだったんだけどな?
ああ、こっちに割けるはずの人員ファイーナに持ってかれちまったのは悪いと思ってるぜ
えっ?!
なんであたしはついてっちゃ駄目なの?
「なんで」って……
当たり前だろ?
なんで?
邪魔、って言わなきゃ伝わらないか?
そんなの伝わらないわね
ファイーナ、頼むからじっとしててくれ。これはお前の為なんだ
じゃあ貴方はどうなの、ショーマ
え?
貴方の安全は保障されてないんでしょ?
自分の身を守れない人が他人を守れると思ってるの?
いや、そういう問題じゃねぇだろ?
……仕方ねぇな。
おい、そいつは任せたぞ
……はい
ちょっっと、
離してよ!!
駄目です
……大丈夫か?
魔術も使えるし力もある。
……行くぞ
あの女、本気でお前についてくる気だったのか?
こうと決めたらテコでも動かない奴なんだよ
苦労しそうだな
ここにきてうっかり毒牙にかかるとか、やめろよ?
そんなヘマはしないさ
まあ……
っと。
ヘマ以外でやられる可能性はちょっとばかし残ってるがな?
それをなんとかしようぜ、つってんだろうが……
要はスタンさせりゃ良いんだろ?
朝露射抜くよりゃ楽だな
севетер,
иди!
(セーヴェーチェル、おいで!)
!!!
おい、止めろ!!
иди сюда!
(行くわよ!)
グルルルルッッ!!
何故犬がここに――
――良い子ね、セーヴェーチェル(севетер)