ミユ

なーなー、留奈さんー

ミユ

なー、てばー

留奈

どうしたのよ、柚木

留奈

留奈は明日のステージのレッスンで忙しいのだけれど

ミユ

その事でちょっと相談なんやけどなー

留奈

…何よ?

ミユ

明日のイベントって七夕祭りのステージイベントやんかー

ミユ

それに
うちら出てええかなー、って

よく見ると後ろには八葉とつかさの姿があった

つかさ

私からもお願いします!

八葉

あ、あの、お邪魔はしませんので…

留奈

どうしたのよ、急に

留奈

別に留奈は構わないけどさすがに留奈一人で決められる話じゃないわよ?

ミユ

かえちゃんとひかりさんにはもう聞いたでー

つかさ

そしたらお二人とも留奈さんにお任せします、との事でしたのでこちらに参った次第です!

留奈

次第ですと言われても…

留奈

明日は地域イベントのステージで行われるプログラムの一つとしてに参加するから急にそんなこと言ってもたぶん無理だと思うわよ?

ミユ

とりあえず留奈さんがええならそれでええよー

ミユ

プロデューサーさんにはこれから聞きに行くところやし

留奈

そう
まぁ留奈はどんな状況であれ完璧にステージをこなすだけだから問題ないわよ

留奈

ちなみに聞いておくけど、一体どういう理由で明日のイベントに出ようと思ったの?

八葉

そ、それは私から説明します!

回想

ミユ

ええなー
留奈さん達、明日ここでライブするねんな

つかさ

はい!
もう既に縁日の用意もされていますし、今からもう楽しみで仕方ありません!

八葉

あ、あの、なんで私達ここに来てるんですか?

ミユ

そりゃ決まってるやん

ミユ

留奈さん達がちゃんと安全にステージ出来るかの下見や

八葉

ええ、でも私達が来る必要あったのかな…

八葉

そういうのはプロデューサーさんに任せた方が…

ミユ

あかんあかん、こういうのはうちらみたいなしっかりした者らが責任もって視察せんと

つかさ

ああ!ミユさんミユさん!
あちらにありましたよ!
雑誌に載っていた甘味処!

ミユ

それは行くしかないな!

八葉

もしかしてそれのために来たんじゃ…

3人が甘味処に向かっていると、ふと大きな笹が目についた

ミユ

ん?
あれ短冊やないか?

つかさ

たんざく…とは、あの願い事を書くとなんでも叶えてくれるという、あの!?

ミユ

そうや
せっかくやし皆で留奈さん達のステージが成功するように書いとこ

つかさ

良いアイデアですね!
三人で書けばきっと大成功間違いなしです!

八葉

わ、私が書いても平気なのかな…

つかさ

はい!ぜひご一緒に書きましょう!

八葉

で、でも、私が書いてもしライブが成功しなかったら…

ミユ

そんな事はない
やっちゃんの願い事やったらどんなお願いもスピード解決や

つかさ

そうですよ!
八葉さんの書く文字はとても美しいですから必ず神様の目にも止まるはずです!

八葉

そ、そうかな
それじゃ私も二人と一緒に書いてみようかな…

それぞれ短冊に明日のイベントの成功を祈る旨を書いていく三人。

しばらくして…

ミユ

よし出来た!
早速飾りに行こかー

つかさ

これなら明日のライブも成功間違いなしですね!

八葉

お願いします…お願いします…

ミユ

やっちゃん…もっと気楽でええんやで…

女の子

ねぇ、お姉ちゃん

八葉

は、はいっ!!

女の子

うわっ!

ナチュライクの3人が振り返ると

ミユ

やっちゃん、ちっちゃい子を驚かせちゃいかんで

ミユ

す、すみません…

つかさ

それでお嬢さんはどうされたのですか?

女の子

あ、あの、この短冊結んで欲しくて…

ミユ

うちらに結んでほしいなんて見る目あるなー
お願いガッポガッポ叶うでー

ミユ

それでどこに結ぶん?

女の子

あの一番高いところ…

女の子

あ、あの!きっと高いところの方が神様も見てくれると思うの!

ミユ

そんなに叶えたい願い事なんやな

つかさ

ちなみにどんなお願い事なのでしょうか?

八葉

つ、つかささん、そういう事聞くのは失礼になりますよ

つかさ

は!
申し訳ありません、不躾な質問をしてしまいました…

女の子

ううん、大丈夫

女の子

言っても言わなくてもどうせ変わらないと思うし…

女の子

はい、これ

ミユ

「コトカを笑顔にしてほしい」?

つかさ

"コトカ"さんとはお友達でしょうか?

女の子

うん!
私の一番大切な友達なの

つかさ

一番大切な友達…素敵ですね!

八葉

それで笑顔にしてほしい、とは何かあったのでしょうか?

女の子

コトカのお家、1学期の終わりに引っ越しちゃうの

女の子

それがこの間言われたばかりみたいで、そのくらいからコトカなんだか元気なくしちゃって…

女の子

私もお別れするのは嫌だけど、コトカと笑って過ごせないのはもっと嫌だから

女の子

残りの時間だけでも笑顔で居て欲しくて…

ミユ

うむ、なるほどな…

ミユ

そういう事ならうちらに任せなさい!

ミユ

やっちゃん!つかささん!行くで!

つかさ

はい!

八葉

はい!

ミユ

ナチュライクスーパーハイパーウルトラ合体技!

ミユ

“肩車”や!

つかさ

了解です!

八葉

分かりました!

ミユの指示により、つかさが八葉を背負う形で2人は肩車を作った。

ミユ

これでてっぺんに吊るせるやろ

ミユ

間違いなく神様にお願い聞いてもらえるで

つかさ

はい!これでコトカさんはきっと笑顔になれます!

八葉

私達が保証します!

女の子

ありがとう!
お姉ちゃん達!

ミユ

そや
ええと…お嬢ちゃんなんて名前やったっけ?
お姉ちゃんはな、ミユ言うねんけど

女の子

わ、私の名前はチヒロ…です!

ミユ

おお、ええ名前やなー

ミユ

それでな、チヒロちゃん
もし明日暇やったらコトカちゃん連れてあそこでやるステージ観に来てくれへん?

ミユ

神様だけや、ちゃっと心細いからなー
助っ人連れてきたるわ

女の子

え、あそこっておじいちゃんおばあちゃんが集まるようなイベントする所でしょ?

女の子

そんな所じゃコトカが笑ってくれるとは思えない…

ミユ

去年までそうやったかもしれんけど今年は違うで

ミユ

なんとあのGARNET PARTYがライブを披露すんねん!

女の子

がーねっとぱーてぃー…?
私聞いたことないけど

ミユ

うぐ…
これは留奈さんには聞かせられんな

ミユ

まぁ騙されたと思ってきてみ
きっとお願い事叶えたるで

女の子

お姉ちゃんがそう言うなら、これから誘ってみる

つかさ

はい!ぜひ観に入らしてください!

八葉

き、きっと素敵なステージが見れると思いますよ!

ミユ

それじゃ、チヒロちゃんまた明日な~

女の子

うん、ありがとうお姉ちゃん達

回想終了

八葉

と言うわけなんです!

留奈

ふーん、まぁ留奈は常にファンの皆を笑顔にしていく訳だしそんな話関係ないけどね

ミユ

とか言って留奈さん、目真っ赤やん

留奈

そ、そんなわけないでしょ!

留奈

それにその話からどうあなた達の出演話になるのよ

ミユ

いやー、さすがに約束した手前任せっきりなんは申し訳ないなーって思うてん

つかさ

それで私達にも何か出来ることはないかと話し合って決めました!

留奈

なるほどね…
とりあえずプロデューサーに聞いてみたらどう?

留奈

さすがに前日にスケジュール変更は難しいと思うけど

ミユ

せやな
とりあえず聞いてくるわ

数分後

ミユ

なんか普通に許可もらえた

留奈

え?

ミユ

しかも嬉しそうにしてた

留奈

え?

ミユ

そしてうちらのステージの時間も貰えた

留奈

ちょっと詳しく説明して

つかさ

どうやら皆さんの前にやるはずだった地域の出し物に出演する方々が皆さん季節外れの病に合われたようで

八葉

そ、それでライブの時間前倒しにしてくれないかっていう連絡があったらしく

ミユ

時間変更の告知をしたり大変だー、って頭抱えて悩んでるところにうちらが行ったら運営の人と連絡とって留奈さん達の前座の時間埋めることになった

留奈

そ、そう…

ミユ

ゲリラや!ゲリラライブやで留奈さん!

つかさ

今からもう楽しみですね!

八葉

き、緊張してきました…

留奈

そんなことよりあなた達良いの?

留奈

ステージ明日なのにレッスンとかしないで

ミユ

せやな
やっちゃん、つかささん、早速作戦会議行くで!

つかさ

はい!

八葉

はい!

留奈

前座とは言え、留奈達と同じステージに立つのだから中途半端は許さないわよ

ミユ

任せとき!

留奈

はー…
とりあえずプロデューサーには明日お説教ね

【後編】に続く

ナチュライクの七夕祭り【前編】

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