大好きな湯田くんを
裏切っている気がして、
大好きな湯田くんを
裏切っている気がして、
でも、裏切ることで、
君が救われるならって
私は、君の為に生きるんだ
今！ 楽しい？
そ、そりゃあ、まあ……うん…
世界、壊さなくてよかった
ってぐらいには
……む
ああああ、ごめん！
何かほら、あの時はなんかごめん！！
いいよ！その答え！！
１００点！花丸でござる！
正直、これで振られたら
どうしようかと
あはは！！
平和っていいね！！
こう見えて、彼は
人類史上最悪の敵だったりする
私が英雄の「残機」
――英雄が殺された時のスペアだと知った時、
彼は、世界を壊しかけた
私が死ぬことで
生きる世界を否定したい言って
けど、
私を蘇生させるという約束で、
世界を壊すのをやめた
そう、甦生
――つまり、わたしは死んでいる
ううん、それは語弊があるね
――「残機」の、
「残機」
平たく言えば、彼女はもういない
私は彼女の記憶を借りた偽物でしかないの
さて！
今日も数学の時間だー！
最近、本当に数学得意になったよね？
――まあ、別人だからね
どうしたの？
うん、
しあわせだなって！！
もし、本当のことを知ったら、
彼はきっと世界を壊す
そうしたら、私は、壊される
それに、何よりも
――世界を壊した彼に、残るものなんて、ない
今、此処に代羽がいるだけで、
なんか、こう、英雄だなって
いや、訳が分からないよ
何もない、平和で当たり前、
俺は何も出来ない、
それで、いいんだ
私は何でもできるけどね？
そう。
だから、俺は
何も出来ない俺でいたい
……そう、
そうだよ。
どうしてもの時だけ、頑張る
大丈夫、そんなのもう来ないよ
ありがとう。
やっぱり、俺のヒーローだよ
そうだよ、ずっと、頑張るから
作り物だとしても、代用だとしても
わたしは、彼が好き
そう、私は、代羽の複製だから、
うん、好きになってしまうんだよ
私は英雄。
彼を守る英雄、
大丈夫、
君に私を知って欲しいけど、
君を裏切るようなこと、
君を傷つけるようなこと、
私は、したくないよ
ずっと、平和が続きますように
ずっと君が弱い君でありますように
私は、そうやって、
君を裏切って、救っていく
