全部嘘だった。はなさんの優しさも玲奈が僕に好意を持っているような素振りも全て、僕を騙す為の嘘。作りものでしかなかった。
そうだ、今この目を開けば僕が経験した事はひょっとしたら全て夢の中であった事なのかも知れない。そうだ!きっとそうに違いない。
そう思い目を開くと、僕の前には不安そうにしている瀬戸さんがいた。
さっき叩きつけた、右手が少し痺れる様に傷む。
やっぱりあの経験した事は本当にあった事なんだ。
そう思うと胸を締め付けられる様な感覚に教われ吐き気がした。
そして僕はいつの間にか喫茶店のソファに寝かされていた事に気付いた。
起き上がろうとするとさらに猛烈な頭痛と吐き気が襲ってくるのを感じる。