ここはどこだろう?
見渡しても誰もいない。


真っ暗だ

一瞬見えた光
出口だろうか。

孤独と寂しさに押しつぶされながらも、逃れるように手を伸ばし、足を進める

あと少し


あと少しだ


あと少しで、この暗闇から出られる………

…………

何かが手を掴んだ。

細くて、けど確かに「死」を感じさせる禍々しい感覚。



私は、逃れることすらできない。

何かが、腕を振り上げる気配がした。

掌が斬り落とされた。


流れる血すら暗くて見ることができないが、痛みは感じない。

ただ、斬り落とされたという、事実だけ。



悲鳴も出なかった。

もはや作業的に、私の手が寸刻みにされていく。

痛みを感じないことが、寧ろ不気味だ。



光が遠ざかっていく。


伸ばした手はどこにもなく、私はそのまま暗闇の奥深くへと落ちていく――――

「そろそろ、目覚める頃だよ?」

深雪

んっ…………

先生

おはよう。調子はどうだい?

深雪

分かってて聞いてるでしょ……

先生

こういうのは形式上でも続けるべきだと思うよ。それで、どうかな?

深雪

……頭がいたくて、吐き気がして、死にたい

先生

そうか……やっぱり今日も視たんだね。どんな夢だったのかな?

深雪

暗闇の中にうっすら光が見えるの。けど、そこに手を伸ばすと手が寸刻みにされるの

先生

……またエグたらしい悪夢だね。これで6年目か。

深雪

……どうして私だけこんな夢しか見れないの? 他の人は楽しい夢だってたくさん見れるのに、どうして私だけ…………っ

先生

そんな悲しい顔しないで。前から言っていただろう? 君のような人を治療する施設があるって。明日そこに向かおう。だから今日はゆっくり休むといい

深雪

…………本当に? 普通の夢も見れるようになるの?

先生

本当さ。だから、安心して目を閉じて

深雪

うん……おやすみなさい、先生

先生

あぁ……お休みなさい

「良い、夢を」

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深雪

んっ……あれ?

深雪

ここ……どこ?

NE-1023

おはようございます、深雪様

深雪

…………誰?

ナンバー23 覚醒を確認

深雪様、ようこそリアリデアルへ

まずは眠りについて

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