バイト君

今度合コンするんスけど、もし良ければ店長来ます?

店長

行く! 帰ったら自宅のリコちゃん人形でシミュレーションしとくわ!!

 今日は俺の仕事はお休み。……なのだが、どうしても赤ずきんの顔を拝みたかった俺は、スーパー赤ずきんへと脚を運んだのだった。

赤ずきん

いらっしゃいませー、あ! 狼さん!!

おはよ、今日はお客様として来たよ

赤ずきん

それはそれは、どうも有難うございます!

赤ずきん

それじゃあ此方、サッカー台までお運び致しますね

ああいや、ちょっと待って!!

赤ずきん

どうかした?

俺前から思ってたんだけど、最近やっと気づいたんだ

赤ずきん

何を?

赤ずきん、髪白い人見境なく優しくしてるだろ?

赤ずきん

うん!

それ、他の人にやったら色々勘違いされそうだから、止めた方が良いよ。俺は良いけど

赤ずきん

えー? どうしてー?

だってほら、あまり優しくされたら、気があると思われちゃうかもしれないだろ? だから見境なく優しくするのは止めた方が良いよ、俺は良いけどね

赤ずきん

……実は今まで迷ってたんだ。白髪の境に

白髪の境?

赤ずきん

じゃあ狼さんに、質問タイム! この人のカゴは持つ?

この人は若いでしょー

赤ずきん

じゃあ、この人が実はエルフで、本当は五百歳以上の人だったらどうする?

……その発想は無かったや

赤ずきん

じゃあ次!

赤ずきん

この猫さん、若そうだけど、実は人間の年にしたらもう立派なおばあちゃんだったらどうする?

……そりゃあ持ってあげないとだな

赤ずきん

そして最後に!!

赤ずきん

年齢不詳の雪男が来たらどうする?

……うーん

赤ずきん

ね? 難しいでしょ?

でも、一つ言えることがあるかも

赤ずきん

何々?

……それ、白髪あんまり関係なくない?

赤ずきん

……はっ!!

 俺が指摘して以降、赤ずきんは今まで以上に見境なくお客様のカゴを持つようになってしまった。

 ……俺を除いて。

36・見極めろ! スーパーホワイト

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