今日は俺の仕事はお休み。……なのだが、どうしても赤ずきんの顔を拝みたかった俺は、スーパー赤ずきんへと脚を運んだのだった。
今度合コンするんスけど、もし良ければ店長来ます?
行く! 帰ったら自宅のリコちゃん人形でシミュレーションしとくわ!!
今日は俺の仕事はお休み。……なのだが、どうしても赤ずきんの顔を拝みたかった俺は、スーパー赤ずきんへと脚を運んだのだった。
いらっしゃいませー、あ! 狼さん!!
おはよ、今日はお客様として来たよ
それはそれは、どうも有難うございます!
それじゃあ此方、サッカー台までお運び致しますね
ああいや、ちょっと待って!!
どうかした?
俺前から思ってたんだけど、最近やっと気づいたんだ
何を?
赤ずきん、髪白い人見境なく優しくしてるだろ?
うん!
それ、他の人にやったら色々勘違いされそうだから、止めた方が良いよ。俺は良いけど
えー? どうしてー?
だってほら、あまり優しくされたら、気があると思われちゃうかもしれないだろ? だから見境なく優しくするのは止めた方が良いよ、俺は良いけどね
……実は今まで迷ってたんだ。白髪の境に
白髪の境?
じゃあ狼さんに、質問タイム! この人のカゴは持つ?
この人は若いでしょー
じゃあ、この人が実はエルフで、本当は五百歳以上の人だったらどうする?
……その発想は無かったや
じゃあ次!
この猫さん、若そうだけど、実は人間の年にしたらもう立派なおばあちゃんだったらどうする?
……そりゃあ持ってあげないとだな
そして最後に!!
年齢不詳の雪男が来たらどうする?
……うーん
ね? 難しいでしょ?
でも、一つ言えることがあるかも
何々?
……それ、白髪あんまり関係なくない?
……はっ!!
俺が指摘して以降、赤ずきんは今まで以上に見境なくお客様のカゴを持つようになってしまった。
……俺を除いて。