狭い部屋の中は殺気立っていた。
何台ものパソコンが並ぶ中、刑事たちが画面を睨んでいる。
時折声が上がり、その度に時田がメインコンピュータからその画面に接続しては画像を解析し、同じバイクかどうか調べる。
時田さん、これは?
これ見たら行くから待ってろ。こっちは4画面一緒に見てんだ
時田さん、こっちも
だから待ってろって
狭い部屋の中は殺気立っていた。
何台ものパソコンが並ぶ中、刑事たちが画面を睨んでいる。
時折声が上がり、その度に時田がメインコンピュータからその画面に接続しては画像を解析し、同じバイクかどうか調べる。
大変そうだなー
おい夜暮、暇そうだな
えっ、いやその。休憩中です
まったく……そういやお前、
俺の名前言えるか?
それはもちろん……
……
……えーと、たしか、ナナシさん
消名(きえな)だ。
覚えておけよ?
はーい……
一方、数奇は映像を切り取ったファイルを時田の方に転送していた。
たしか、画像からでも識別できると聞いたので
ああ助かる……けど、もう少しはっきり見えるところでキャプチャしてくれると良いんだが。これじゃ白系統ってことしか分からん
すみません……
時田!
あーもう分かったから待ってろ!
時田!
時田さん
時田君
時田
時田さん!!
時田
あーもう、なんでこんなにトンネル内のが多いんだよ!
普通の道なら見ただけで色は分かるってのに、せっかくの特徴が役に立ちゃしない
とうとう、時田が投げやりに言って立ち上がった。
時田さん?!
……ちょっとコーヒー買ってくるだけだ
立ち去る時田の背を見て、数奇と夜暮は顔を見合わせた。