よしボクの家を探そう!

そう思ったけど、そもそも自分が今
どこにいるのか分かっていなかった

どうしよう……

……とにかく歩こう

周りを見渡しても木しか生えていないこの森を
ひたすら歩いた

歩きながら家族を思い出していた

雫は雨が大好きだね

いつも優しくしてくれた大好きなお母さん

じょうずにできたな、雫!

ボクのことを沢山ほめてくれたお父さん

雫!一緒に帰ろう!

怒ったときは怖いけど一緒にいて楽しいお姉ちゃん

早く会いたいなー

そんなことを思っているうちにずいぶんと歩いていたようで森の開けた場所にたどり着いた

けっこう歩いたみたいだな

疲れたからちょっと休憩……

――その時だった

うわっ!!!

うわぁ!

ハハハー!ビビってやんの!

ちょっと!急に驚かせないでよ!

あれ?こいつ妖怪だったのかよ!

……お前どっから来たんだよ

……どこだっていいじゃん

……ボクになにか用ですか?

……誰かいると思ったからびっくりさせたかっただけだよ

ふーん

やべー怒らせちゃったかな?

ところで、ここってなんていう場所か知ってる?

へっ?

ここが日本のどこなのかわかんなくて……

もし知ってるなら教えてほしいなって

あぁ、ここは関東地方の森だよ

本当に!?

もしかして…迷子??

よかった!家までもう少しだ!

……家探してるの?

ボクの家族が住んでる家に行くところなんだ

家族?

……お前家族がいるのか?

うん、一応ね

へぇー……

ねぇ俺も連れてってよ!

え!なんで?

いいじゃんか!
ずっと森にいて暇なんだよ

……

ね!いいよね!

あ!俺、天邪鬼!よろしくね!

しょうがないな……
ボクは雨降り小僧、よろしくね

よし、じゃあ出発だ!

おー!

こうしてボクと天邪鬼くんは出会った

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