せんせーって前はどこの小学校いたのー?

カレシさんはいるのー?

もー、そんな一気に聞かれても困っちゃうわ

 休み時間。

 新しく入ってきた品川先生にみんな興味津々で、先生の机を囲んで盛り上がっている。

 品川先生は笑顔で子供たちの質問に答えている。

いや~すごい人気だね、品川先生

そうだね!それにすごく綺麗な人だもん…!憧れちゃうなぁ

……そうですわね

 麗花の机を囲んで、遠くから品川先生を眺めつつ俺らは三人で話をしていた。

わたしもあとで話しかけに行こうかな~。少しでも仲良くなりたいし

あ、その時はわたしも一緒に――

――ダメだ。

…え?

ダメって……

ダメだ――…ダメですわ。二人は話さなくても。あの先生とは必要最低限の関わりにしなさい

どうせ、産休が明けたら、あの先生はまたどこかへ行ってしまうのですから

いやだからこそ今のうちに話したりしたいじゃない

情が湧いて別れ際余計に辛くなったり、悲しくなるだけですわ

――だから、二人は絶対に関わってはいけません

……そんな…

……碧ちゃん、ちょっとわたしたち、席外すね

…う、うん

来い。麗花

…………

さっきのあれ、なんか理由があんのか?お前アイツを知ってるのか?

……

前、元カノがいる話はしたと思うが…

えっ!?じゃあ、あの人がまさか…?

…そうだ

なーんだ、じゃ俺、お前の話聞く前にもう元カノに会っていたってわけか~

!?君もう既に……?

碧とのデートの日にさ、やきいも買いに行ったじゃん。その時に

そういやそこでこのクラスに赴任する~とか言ってたんだっけな。完全に言い忘れてたわ

…ということは、以前の桜子と面識がある……!?

お、だな。だからよ、むしろ関わってった方が……

…………

もしかして、あれは……

?なんだよ?

…とにかく、彼女には関わるな!碧も、彼女に近づかせないように!!

はぁ!?どうしてそんなっ

いいか、彼女は――

大内さん、城ヶ崎さん

リサっ……!?

そろそろ休み時間が終わりますよ。教室に戻りなさい

 先生はそれだけ言うと、教室へと戻っていった。

…しゃーねぇ。とりあえず教室戻るか。……麗花?

…ん?あぁすまない。戻ろうか

 俺は後ろから麗花を見守りつつ、教室へと戻った。

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