ステラ

ノースポール城のあった荒地。
こんな所にいるのが誰かと思えば、あなたでしたか……

…………

ステラ

預言者さん

現世はただの神父だよ

ステラ

初代の貴方は魔界の皇帝陛下のご友人。人間の僧侶でしたね

???

人間界に交流の為に魔族を派遣する?
父上、本気ですか? しかも、この城ごと向こう側に行くなんて……

ああ、我の友人は面白い奴でな。魔族と人間は仲良く出来ると思うのだ。

???

他の者たちが貴方たちのように上手くいくとは思えませんが

派遣される者は決まっている。彼には魔王を名乗り人間界へ行ってもらう

???

失敗したら、どうするつもりですか

双方の間に入り止める。何度でもな

ステラ

魔王候補者の間で争いが起こりました。私の主は、私の力を得て、他の候補者を退け、そして魔王に選ばれました。

魔界から魔族たちがやってきた。
突然現れた魔族を人間たちは恐れ、そして争いが起きた。
ただの僧侶だった儂には何もできなかった。

ステラ

魔王様は魔族を護る為に戦うことを決めました。そして勇者とぶつかり合った。

皇帝は自分を責めた……自分の理想の為に人間と魔族が争うことに胸を痛めた

我のせいで……

???

父上、顔色が悪いです

そう……か?

???

まるで病人………まさか何かの病気に?

我が娘よ、ここは心地が良いな

???

え?

ここで、ゆっくり寝て死ねたら良いな

???

何を言って………

寝て、死んで、生まれ変わって、またお前と会えると良いなぁ…………

???

父上?

皇帝は禁呪を使った………魔族でありながら勇者を護る盾「闇の盾」に姿を変えた。

ステラ

彼女はそれを「転生した」と勘違いしていたようですね。

似たようなものだろう。
魂があるか、ないかの違いだ。

ステラ

この「変化」の魔法。さすがは皇帝陛下。魔法を発動してすぐに「闇の盾」に姿を変え、貴方のもとに現れた。

儂はその「闇の盾」を勇者に託した。「闇の盾」となった彼が争いを止めると信じて……

ステラ

ですが「盾」は喋れません。
勇者は魔王様を滅ぼしました。

本当は勇者も気づいていた。この争いが無意味だったことを………
一方的に現れたのは魔族だった。だが一方的に恐怖し剣を向けたのは人間だった。

ステラ

争いの舞台、ノースポール城に居た全ての者たちは嘆いた、そして……

彼らは願った

もう一度会いたい、
もう一度やり直したい、
もう一度、
もう一度………

???

父上は言った何度でも止めると。

???

父上は、まだどこかにいるはず……

???

転生させてあげる。私が父上と再会する、その日まで何度でもね………

ステラ

そして、転生は繰り返された

儂は預言者となり。勇者が「光の剣」「闇の盾」と出会う状況を作り上げることが役目でした。それも終わりましたね……

ステラ

「闇の盾」はペペロさんという、魔族の姿を得ました。気づいていたのですか?

…………気づいていましたよ。相変わらずの世話好きで悪戯好きな奴でした。

ステラ

私、皇帝陛下を顎で使っていました。考えたら恐ろしいことです

奴は怒りませんよ。それより、いつまでも世間話なんてしていて良いのですか?
最後の仕事があるのですよね。

ステラ

はい………

ステラ

聞こえていますよね、
魔族の皆さん!!

ステラ

この世界に魔王様はいません。魔界へのゲートを開きます。人間と共存したい者だけ残ってください。判断は個人にお任せします。

ステラ

住み心地が良いのは魔界ですからね。

ステラ

あ、魔王様の魔力は私が持っていますので……もしも何かあれば相手になりますし

ステラ

我がギルドの冒険者たちが、全力で討伐して差し上げます

      

to be continued

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