- NarrGarten -
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それはそれは素晴らしい庭なんだ。
大輪の薔薇の花たちが庭いっぱいに咲き誇り、
お日様はキラキラと光っている。
僕たちは、この庭が大好きだった…
おはよう。
リーリエ!
今日も夜が明けたよ
おはよう。
ツヴァイク
今日は眩しい朝日が
輝いているのかしら?
それとも美しい
雨の日なのかしら?
そのどちらでもないよ
だけど今日は寒いから、
もしかしたら雪が降るかもね
まあ、雪ですって!
庭に雪が積もったら、
どんなに綺麗かしら
きっと薔薇たちも雪で
お化粧をするのね
ああ、そうだよ、
リーリエ
庭の薔薇たちは、どれも綺麗に
咲いているもの
雪をまとったら、
きっともっと綺麗だよ
まあ、なんて素敵
なのでしょう!
私たちの素晴らしい庭が、
いっそう素敵になるのね
どんなに美しいのかしら。
見てみたいわ
大丈夫だよ、リーリエ。
雪が降ったら僕が教えてあげるよ
庭がどんな様子か、薔薇たちが
どんな雪化粧をしたのか
君にお話してあげるから
楽しみにしていて
ありがとう、
ツヴァイク
楽しみにしているわ
僕に任せておいてよ
その時、庭に一羽の鳥(とり)が舞い降りる。
寒い冬の朝、雲間から漏れた太陽の光を受けた、
その鳥(とり)は大きな翼を広げて地面へと降り立った。
ああ、リーリエ。
庭に鳥(とり)が降りてきたよ
虹色の羽根をした鳥(とり)だよ
まあ素敵!
薔薇の咲く庭に虹色の鳥(とり)が
いるなんて、なんて素敵なのかしら
ククク…
自惚れ屋の木偶の坊が。
せいぜい格好をつけるがいい
NarrGarten…
それは古くて大きな館の一画にある美しい庭。
その素晴らしい庭を僕たちは、とても愛していた…