……はっ!?
なんだ今の…
必ず、逢いにいくわ…必ず……
……はっ!?
なんだ今の…
…なんで泣いてんの、自分…?
…いや。そんなことより、
ここ、
どこだよぉお!!
遡ること、数時間前…
ねっ、シオン!
私の前世は「遠い昔滅びた王国の王女」って言ったら、どう思う?
…ついに頭おかしくなったのか、
と思う。
あはは、ひどいなあ。
まっ、そーなるかあ。
変なのはいつものことだけど、プラス中二病発症とか痛すぎるからやめてw
む。失礼な。
ほんとに王女だったんだぞ。
…スマホの占いで言ってたもん。
www占いじゃんww
信じろって方が無理w
ちぇっ。
まあいいや。
私は、シオンが今日も元気でいてくれたら、それでいいの!
…相変わらず、意味が分からん。
話飛びすぎてついていけないんだが。
…それより、シオンさん?
ん?
な・ん・で、
今日もそんな恰好してんの?
……そんな、とは?
しらばっくれるなあ!
なんで、
スカートじゃなくてズボン履いてんのって聞いてんの!!
なんで、って…
ひらひらして鬱陶しいから?
もおおお!
「もっと女の子らしくしなさい!」っていつも言ってるでしょ!?
せっかくかわいいのに、だからモテないんだよ!
……そんなこと言われても。
モテるとか正直どうでもいいし、恋人も友達も必要ないと思う。
そう言ったらまたうるさそうだから、言わないけど。
自分はこんな感じの性格だから、まあ当然のようにクラスでは浮いているのだが、
2か月前に転校してきたこの少女、浜匙ハナは…
うざいほどに、絡んでくる。
知らない学校の制服を翻し、常にキャッキャと暴れているこの少女もまあ、別の意味で浮いてるっちゃ浮いてるのだが、元来の明るく社交的な性格が幸いして、すっかりクラスの人気者となっている。
そんな女が、なぜ自分に……
おーい、聞いてる?
聞いてない。聞く気もない。
えぇ~~!?ひどいよシオン~~~!!
あのねぇ、シオン?
…私ね、生まれ変わりとか、りんねてんせいとか、あるって信じてるよ。だって、前世でも私たち仲良しだったかもーって想像したら、ロマンあるじゃん、ロマン!!
あんたが一方的に「仲良し」押しつけてんだろってツッコみ入れる前に、この頭のねじが数本トんでそうな少女が「輪廻転生」なんて言葉を知っていることに、正直驚きを隠せないぞ☆
私、シオンに逢えてほんとにうれしいんだ!
だから、生まれ変わってもまた逢おうねぇ!
…なんか笑顔で壮大なことを言っているが、出会って2か月目にしてそこまで言うか?そう言わせるほどのすごいことを、自分は彼女にしたのだろうか?
……全く記憶にない。
そもそもこの女、転校初日、自分を一目見た瞬間からこの馴れ馴れしさだったが一体何なんだ、と、
彼女のふわふわした動きを見ながら考える。
「シオンは生まれ変わったら、何になりたいー?私はねえ~、うーん、宇宙人とか?あっ、天使もいいな!いやむしろ神になっちゃう~??」などもはや脳内がSFやら異世界ファンタジーやらごった煮状態の我がクラスメイトは、
前方の車がフラッと突っ込んっできたことに、
気づいていなかった。
気づけば、体が勝手に動いていた。
彼女を死なせてはならない。
ただその一心で。
……結果、
死んでしまったのだ。
自分がな☆
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