バイト君

レジもやること多くて大変っスよね

店長

ああ。ずっと接客とか絶対無理だな~

赤ずきん

狼さん! この袋に、この商品全部詰めてみよ!!

な、何、急に!?

赤ずきん

良いから良いから~

 彼女のなすがまま、俺は少し小さめの袋に詰めることになった……が、コレが中々入らない。

……はぁ、こりゃあ入らないよ

赤ずきん

だろうね、私だって入らなかったもん

え、ちょっと! 知っててやらせたのかよ!?

赤ずきん

えへへ、ごめんね。こういう時、困っちゃうよねって話

さっきの俺の無駄な労力……

オカミさん

おや、そんなことで諦めるのかい? ちょい貸し!!

 仕事終わりのオカミさん、どうやら俺達の会話を聞いていたらしい。ずんずんと此方へやって来ると、袋と商品を強引に奪い、力ずくで押し込み始めた。

赤ずきん

おお~

すげ~

 オカミさんが詰め込むと、袋が面白い程膨らみ、全ての商品が、あの小さめの袋に綺麗に詰め込まれた。……が。

 案の定、袋がはじけ飛んだ。

赤ずきん

……ああ、商品が

オカミさん

……買うよ、買えば良いんでしょう?

女の子

袋詰めするの? 私得意だよ

 以前赤ずきんがお手製スタンプをプレゼントした女の子が、此方の会話に興味を持ってやって来た。

お客様、これは仕事ですので……

オカミさん

いいや、もうこの際やってもらいましょう! どうせこの商品も、私が買うんだから!! さ、やってみな

女の子

うん!

 すると、女の子はおつかい用に持たされていた小さめの袋を取り出し、それに器用に詰め始めた。それはオカミさんのようなの力技で無く、ましてや俺のような手荒な入れ方でも無く、隅々の隙間と言う隙間へと詰め込む綺麗な入れ方だった。

女の子

出来たよ

オカミさん

おお! これは凄いねぇ!!

女の子

えへへ……あ、お姉ちゃん、スタンプカード溜まったよ

赤ずきん

やったね! それじゃあ、……その商品、全部お姉ちゃんからプレゼントしちゃう!!

え!?

女の子

い、良いの……?

オカミさん

あはは、そりゃあ結構だね。ま、商品は割引品ばっかりだし、キャベツはヒビも入ってるから、良いんじゃないの?

赤ずきん

そう言うこと! もう商品としては出せないものだから、持って帰ってくれると嬉しいな

女の子

うん、お姉ちゃん有難う!!

女の子

あ、でも……これじゃあ買い物出来ない……

赤ずきん

……

オカミさん

……

 女の子が呟くと、何故か二人が俺を見たので、俺はそっとスーパーの袋を差し出した。……ま、袋代くらい代わりに出しても、ね。

15・詰めろ! スーパー袋詰め

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