赤ずきんから、突然の一言。それも、”ぱんつくれ”。
いや、俺としては全然渡しても良いし、むしろ貰いたいくらいでもあるのだが……ではなく!! 渡したいくらいなのだが、いやいや、それもおかしいか。
狼さん! ぱんつくれ!!
ぱ、ぱっ……!?
赤ずきんから、突然の一言。それも、”ぱんつくれ”。
いや、俺としては全然渡しても良いし、むしろ貰いたいくらいでもあるのだが……ではなく!! 渡したいくらいなのだが、いやいや、それもおかしいか。
え、えっと……あげてもいっかな……なんちゃって
ああ、狼さん勘違いしてる~パンツくれ、じゃないですよ。パン作れ、ですよ!! えへへ、騙してごめんなさい
ああ、なんだ。パンを作れってことか。
にしてもなんだ、何なのだこの可愛さと、恋人のような会話は! これは俺を既に友達以上の何かとして受け取っていると言うことなのか! 作ってやるさ、ああ作ってやるさ、君にならパンでもパンツでも!!
実はこれ、さっき店長に言われて。私思わず店長のことぶん殴っちゃいました
……先程までの癒しが、急に殺伐として見えてきた。
店長、何か痛そうっスね
ああ、何故か赤ずきんに殴られたんだ。女心と秋の空ってね……
俺が赤ずきんに怯えていると、赤ずきんのレジに鼻息の荒いお客様がみえた。
パン、パンツくれ!!
どうしよう相当ヤバそうな人が来てしまった。それも、赤ずきんの列に。
此処は俺が入るべきなのか、それとももう少しだけ様子を見て、赤ずきんの照れ顔を拝むべきなのか。俺は天使と悪魔の声を聞きながら、その様子を見つめていた。
またまたぁ~お客様ったら。何も出ませんよ!
そこをなんとか! パンツくれ!!
そんなこと、何で私に聞くんですか? 私は売る側なのに
頼む、パンツをくれー!!
え? パンツ? パンじゃなくて?
……
くれるのか?
……だそうですよ、狼さん?
ええっ!?
さっき、あげても良いって言ってましたよね?
い、いや……それは……
お前のは、要らん!!
は、はあ……
ただただ、傷つけられる。そんな一日だった。