怖いわ

なにが怖い?

通り魔。
話題でしょ

俺がついてるじゃねぇか

でも、さっき会ったばかりよ

でも、惹かれたんだろ?

え、えぇ……
なぜか、わからないけれど

――大丈夫さ。
すぐ、天国に行ける

さぁ――お別れの時間だ

お前が、な

なに……

ふんっ!

ッ、グガァッ!?

ふん、見た目も見抜けぬ力で、安い魅了など……
恥を知れっ!

ぐっ……付き合ってられるか!

おっと

(なんだ、引っ張られ……!?

ぐあっ!?

地面の感触はどうだ、若造。
――領域を犯す意味、きちんと教えてやろう

――若造。
逆らえないのは、わかる。

しかし、コントロールできねば……

……甘いな、ジジイ!

っ!?

若造!

――甘いな、ルゴシエラ

……お前は……!

――最近、夜遊びが盛んですね

夜勤でな。
元部下、帝王使い荒いわ

騎士団も、ざわついています

ハメを外す愚か者の処罰だろう

……あまり、関わらない方が

確かに、巻き込まれるのは勘弁だ。
不安なのは、俺も一緒だからな

(――不安なのは、私もなのですよ?)

で、たまたまお前の姉貴に見つかり、因縁つけられた

姉さん、仕事熱心ですね

『貴様が犯人なら、心地よく切れるのに』って、変わらずの暴君でした

ふふっ、見習おうかしら

……ん?

ともかく、帝王なら危険はないでしょうが……逆に、騎士団に危険視されると

――犯人だが、捕まったと聞いた。
もう安心だろう

それは、良かったです

だから、『心配させるなよ』、とも言われたよ

姉さん……

だから、もう辞めるぞ

はい。
ですから今度は堂々と、男の姿でナイトバーにですね

お前なんで知ってんの?

あら、あの子にお願いすれば、こんなベストショットくれましたよ?

(……元部下みんな、秘密主義って知ってる?)

(……気づいているのか?)

契約は終わった。
しばらくは、無職帝王だ

ベストショットが撮れるなら、私は大丈夫ですよ?

もし、見に来られても困る。
夜は、お前の力が落ちる

……でしたら、今度は。
出向かず、側にいてくださいませ

――わがままな、従者だ

[監視]

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