オフィスに入ってきたのは、
公園でおにぎりを喉に詰まらせた
おじいさんだった。
 
 

おじいさん

…………。

宗武(総務課長)

あっ、会長。

アリス

会長?

 
 
担当者の声を聞き、
アリスは思わず顔を上げた。

するとアリスとおじいさんは目が合って、
ほぼ同時に声をあげる。
 
 

アリス

おじいさんっ!

おじいさん

おぉ、さっきの子じゃないか!

 
 
まさかこんな場所で再会するとは
お互いに思っていなかったようだった。

なんとおじいさんはこの会社の
代表取締役会長だったのである。


一方、担当者は事態を飲み込めず
キョトンとしている。
ただ、ふたりが面識のある仲だというのは
なんとなく察しているようだった。
 
 

おじいさん

ところで何かあったのかね?
そんなところに座り込んで?

アリス

そうだっ、おじいさん!
実は――

 
 
アリスはおじいさんに事情を説明した。

それを聞いたおじいさんはアリスに歩み寄り、
手を差し出して優しく微笑む。
 
 

おじいさん

安心しなさい。
契約は続けさせてもらうよ。
それだけじゃない。
今日は残りの商品を
全て買おうじゃないか。

アリス

ホントですかっ!?

おじいさん

宗武くん、それでいいね?

宗武(総務課長)

会長がそうおっしゃるなら……。

アリス

ありがとうございますっ!

おじいさん

情けは人の為ならず。
お嬢さんは私を助けてくれた。
今度は私がお嬢さんを助ける番さ。

 
 
アリスは契約打ち切りというピンチを脱し、
しかも商品も完売することができた。

こうして無事に仕事を終えることが
できたのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

~グッドエンド~

アリス

やったねっ♪

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