オフィスに入ってきたのは、
公園でおにぎりを喉に詰まらせた
おじいさんだった。
オフィスに入ってきたのは、
公園でおにぎりを喉に詰まらせた
おじいさんだった。
…………。
あっ、会長。
会長?
担当者の声を聞き、
アリスは視線をおじいさんへ向けた。
すると目が合って、ほぼ同時に声をあげる。
おじいさんっ!
おぉ、さっきの子じゃないか!
まさかこんな場所で再会するとは
お互いに思っていなかったようだった。
なんとおじいさんはこの会社の
代表取締役会長だったのである。
一方、担当者は事態を飲み込めず
キョトンとしている。
ただ、ふたりが面識のある仲だというのは
なんとなく察しているようだった。
ところで何かあったのかね?
そうだっ、おじいさん!
実は――
アリスはおじいさんに事情を説明した。
それを聞いたおじいさんは表情を緩めて
アリスの頭を軽くポンポンと叩く。
安心しなさい。
契約は続けさせてもらうよ。
それだけじゃない。
今日は残りの商品を
全て買おうじゃないか。
ホントですかっ!?
宗武くん、それでいいね?
会長がそうおっしゃるなら……。
ありがとうございますっ!
情けは人の為ならず。
お嬢さんは私を助けてくれた。
今度は私がお嬢さんを助ける番さ。
アリスは契約打ち切りというピンチを脱し、
しかも商品も完売することができた。
こうして無事に仕事を終えることが
できたのだった。
~グッドエンド~
やったねっ♪