ここが、都……
来るのは初めてでしたか?
ええ。とても美しいです
…………
…………
先生、どうかしたの?
いや、何故だろうと思いましてね。何故国の端である村の小さな調合師を国軍が迎えに来るのかと
うん……私も気になってるの。どうしてかなぁって
あまり良い依頼ではないと思いますよ。軍人なんて何を考えてるか分かりませんからね
先生、軍人嫌いだからね……
やっぱり留守番しててもよかったんだよ?
……できないの知ってて言ってるでしょう?
ふふっ……
…………
大きなお城……
国の重要文化財にも措定されている、歴史ある城です。早速ですが中に――――
うおおおおおおおおおおお
っ!?
おわっ!?
わあああああああーーーっ!!!?
…………
…………!!
…………
…………無事、帰還しました
何やっとるんだお前は!!
擦り傷……ちょっと待ってください
アサガケという樹脂を混ぜた塗り薬です。少し染みますが、傷口に撫でるように塗り込んでください
……ありがとうございます
復活であります!!
よし帰れ!!
そんな殺生な!?
あのぉ……その人は?
初めまして!私憲兵軍のルクリュ・プレシアンスと言います。ルーちゃんとお呼びください!
は、はぁ……?
まぁいいでしょう。ルクリュも来たいのならついてくるがいい。時間が惜しいのでな
なんだか落ち着きませんねぇ……
通されてだいぶ経つよね
失礼いたします
王様がご多忙なので、代理で参りましたオルグと申します。どうぞよろしく
どうも、フィン・マサークルです
早速ですが、仕事の内容です
留学生……?
ええ、隣国の姫を留学生として招きました。友好の印として定期的に行っていることなので、それは特別驚くことではないのですが……
3日ほど前、行方をくらましてしまったのです
行方不明って……一大事じゃないですか!!
ええ、大変な事態です。幸いまだ隣国側にはバレておりません。ですが、もし漏洩したら取り返しのつかないことになる。その前に姫を城に連れ戻さないといけない
あなたにお声掛けしたのは、仮に姫が怪我をされていた場合、即座に治療する必要があるからです。腕が確かで体力もある調合師であり、女性である分姫の配慮もできるだろうと考えました
急な事態で大変申し訳ありませんが、姫の捜索に同行してもらえませんか?
フィンさん、断ってもいいんですよ?軍の厄介ごとに首突っ込んで幸せになった人なんて聞いたことありませんし、回れ右してもいいんですよ?
分かりました・引き受けます
ありがとうございます!では、明日から早速捜索隊を出発させますので、そちらにご同行下さい!!