あなたと会えなかったとき

 

先生にゃん

この問題は誰に答えてもらおうか

ママ先生

はい!

先生にゃん

君は確か、転校生の

ママ先生

はい!

先生にゃん

じゃあ答えてみなさい

ママ先生

「y = 3x + 5」です

先生にゃん

正解です

先生にゃん

この x の係数である 3 というのは……

ママ先生

先生

先生にゃん

何かな?

ママ先生

ここなんですけど

先生にゃん

ん? ここは君は答えられたじゃないか

ママ先生

あ、いえ、理解はしているのですけど、どうやって教えたらいいか分からなくて

先生にゃん

教える?

ママ先生

えっと、友達に

先生にゃん

…………その生徒はなぜ私に聞きに来ないのでしょう

ママ先生

あ、違うんです

ママ先生

私、勉強を教えるのが好きで、好きでやってるんです

先生にゃん

そうですか

先生にゃん

これはですね

ママ先生

はい

ママ先生

先生!

先生にゃん

久しぶりですね

先生にゃん

教育実習、頑張りなさい

ママ先生

はい!

ママ先生

本当は、先生のクラスに付きたかったんですけど

先生にゃん

そうですか

先生にゃん

彼は良い教師なので、しっかり学ぶのですよ

ママ先生

はい!

ママ先生

先生

先生にゃん

どうしました?

ママ先生

私、自信をなくしてしまいました

先生にゃん

ふむ

ママ先生

どうしたら良いでしょうか?

先生にゃん

君は身分はまだ学生なのだから、出来ないことがあるのは仕方ありません

ママ先生

……はい

先生にゃん

その出来ないことが出来る自分を想像しなさい

ママ先生

出来る自分を想像する?

先生にゃん

はい

先生にゃん

そして、出来る自分を演じるのです

ママ先生

出来る自分を演じる……

先生にゃん

最初は上手くいかないでしょうけど、君ならちゃんと出来るようになりますよ

ママ先生

……はい

ママ先生

先生!

先生にゃん

おや、君も教師になったのではないかな?

ママ先生

はい!

先生にゃん

おめでとう

ママ先生

ありがとうございます!

先生にゃん

これから大変だと思いますが、頑張りなさい

ママ先生

はい

先生にゃん

ふむ

先生にゃん

で、なぜ私は呼ばれたのか、昨日から考えていたのですが、分かりませんでした

先生にゃん

教師である君に、ぜひ教えてもらいたいですね

ママ先生

あ、はい!

ママ先生

学生の頃も、教育実習のときも、先生にとてもお世話になりました

先生にゃん

頑張ったのは君ですよ

ママ先生

教育実習のとき、先生に教えてもらったことは、私のモットーになりました

先生にゃん

ふむ

ママ先生

「出来る自分を想像する」
「出来る自分を演じる」

先生にゃん

そういえば、そんなことを言いましたね

ママ先生

実は、あれから想像していたことがあるんです

先生にゃん

何でしょう?

ママ先生

先生の隣にいる自分です

先生にゃん

ふむ

ママ先生

先生

先生にゃん

はい

ママ先生

ずっと私の隣にいてください

先生にゃん

おやおや、まるでプロポーズのような言葉ですね

ママ先生

えっと……

先生にゃん

冗談です

ママ先生

…………いえ、そういう意味です

先生にゃん

お、おやおや、それは困りました

ママ先生

年の差を考えてしまう気持ちは分かります

先生にゃん

いえ、そこは特に気にしてはいませんけど

ママ先生

いきなり結婚してくださいって言うつもりはありません

ママ先生

あの、まずは恋人から

先生にゃん

あ、はい

ママ先生

ダメ……ですか?

先生にゃん

困りましたね、こういうのは慣れていないんです

ママ先生

あの、私も初めてですから

ママ先生

ゆっくり進んでいけたらなって、思います

先生にゃん

そ、そうですね

ママ先生

あの……ダメですか?

先生にゃん

ん、まあ、その

ママ先生

恋人じゃなくても、普通に会ったりするだけでも構わないので

先生にゃん

まあ、それなら

ママ先生

本当ですか!

先生にゃん

え、ええ

ママ先生

えっと、その、これからよろしくお願いします

先生にゃん

はい、よろしくお願いします

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