ヴァルネス

…………ッ

シャンブル・ヤーデ

……どうやら、侵食が限界のようだな

アスター・エーデルシュタイン

侵食って?

シャンブル・ヤーデ

CSが脳を侵食し、暴走させることだ。もしそうなってしまえば、誰にも助けることはできない

アスター・エーデルシュタイン

ちょっと待って。自律神経を侵食して暴走って、さっきと言ってることが違うじゃん。宝石のように何もしようとしなくなるって

シャンブル・ヤーデ

それはCSの機能を使用しないまま生きたらの話だ。常人離れした力を使ったり臓器の働きを多用すればCSが体内を侵食する速度は当然速まるさ

シャンブル・ヤーデ

寧ろ、ヴァルネスはよく保ったというべきかな

ヴァルネス

……!

ヴァルネス

やっぱり、ダメだったのか……

ヴァルネス

俺とフルッタはネクターやアイヒェルよりも早く宝石を埋め込まれてた。二人よりも侵食も速いんだ

ヴァルネス

特に、フルッタは一番シャンブルに使われていた。洗脳が残っていても不思議じゃない

ヴァルネス

だからこそフルッタをクリエの方に送ったんだけど、どう転ぶか不安になってきたな……

ヴァルネス

カ……カアア…………

ナルシス・エーデルシュタイン

確かに、ホルテンジーの時と同じだな……

シャンブル・ヤーデ

当然だ。同じCSなのだからな。まぁホルテンジーは老齢なのもあってすぐに侵食されたようだが

シャンブル・ヤーデ

さて、フルッタもいなくなった今、私を守る者はいなくなった。ここでお暇させて頂こう

ナルシス・エーデルシュタイン

貴様、逃げる気か!!

シャンブル・ヤーデ

今のあなた達に何ができる?足が不自由なアスター君の面倒を見なければならないだろうし、残るは壊れてしまったガラクタの兵士だ。私を阻める者は誰もいないのさ

シャンブル・ヤーデ

ヴァルネス、最後の命令だ。私が逃げるのをサポートしろ!

ヴァルネス

ッ!!

アスター・エーデルシュタイン

……どうして反応したの?暴走しかけてるんじゃ?

シャンブル・ヤーデ

伊達に何年も調教してはいないということさ。暴走しかけていたとしても私の声は届くのだよ!

ヴァルネス

……カアア

そこまでだ!

ヴァルネス

カアアアアア!!

シャンブル・ヤーデ

ヴァルネス!!何だなにが起こった!!

ローテ

ナルシス様、アスター様、お怪我はありませんか?

アスター・エーデルシュタイン

ああ、大丈夫だけど……なんで無事なの?確かフリーダーにやられたんじゃ……

ローテ

どういうわけか命はとらずにいてくれましたよ。他の仲間は足や手を負傷して動けませんが

アスター・エーデルシュタイン

なるほど、そうやっ無力化したわけか

ローテ

さて、シャンブル・ヤーデ。クリエ・エーデルシュタイン様誘拐監禁の容疑で逮捕する。一緒に来てもらおうか

シャンブル・ヤーデ

ふざけるな……どこで計算が狂ってしまったのだ。私は……為さねばならない大業があるというのに

シャンブル・ヤーデ

貴様ら貴族共には決して分からんだろうよ!私の壮大な偉業の意味が!!

アスター・エーデルシュタイン

…………分かりたくもないよ、そんなもの

アスター・エーデルシュタイン

孤児院のみんなやホルテンジー、沢山の人の体と人生を滅茶苦茶にして。アンタみたいな下劣な人間、俺は絶対に許さない

ナルシス・エーデルシュタイン

シャンブル、貴様がどれほど言葉を並べようと、貴様が企んだことはクーデター以外何物でもない!貴様の下らん理想は永遠に闇の中に葬ってやる!!

シャンブル・ヤーデ

貴様らあああああああぁぁぁぁ!!!!

ローテ

おとなしくしろシャンブル!抵抗するなら足を撃ってもいいんだぞ!!

ローテ

ん?

ヴァルネス

…………

ローテ

貴様!まだ抵抗するつもりか!!

アスター・エーデルシュタイン

待って!その人は――――!!

ヴァルネス

…………ェェェェエエエエエエエエエエ!!!!

ヴァルネス

――――

ヴァルネス

…………

ヴァルネス

ア リ ガト――――

アスター・エーデルシュタイン

……!!

ナルシス・エーデルシュタイン

…………君は

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