前日の夜
前日の夜
それで、ソール様。その神を倒すための策はあるのですか?
まずはいかに私が神との一騎打ちに臨める環境を作るか、だな
風音さんと救出した十四郎さんに軍を指揮してもらって観客を避難させる。はい終わり
……あの、私の立場は?
先生は参謀って顔じゃないでしょ?策くらいなら俺が練ります
神罰の進行や神の立つ位置などはおおむね風音さんから聞いて把握しました。あとの問題はいかに神を倒すかと、神以外の横やりを防ぐか
どういうことですか?
相手は神っすよ。しかも、かなりの独占欲が強い傲慢な神っす。そんな奴が民衆まで掌握したいと考えているのなら……
民衆の中にスパイを紛れ込ませる……
スパイですか!?
なるほど、十国軍に避難を誘導されてる時は当然パニックになる。その時にどさくさに紛れて神と合流、もしくは我々に襲い掛かってくるやもしれんということか
そう。そして神のしもべである以上そんじゃそこらの魔法使いだけじゃ勝てるか分からない。かといって、しもべに全戦力投入してたら先生が瞬殺されちまうし、なかなか難しいっすよ
一応っすけど、1%でも勝算ありますか、先生?
…………なくはない
……賭けてもいいっすね?
ああ
了解っす。じゃあいろいろ決めていくっすよ……
…………
ソール……何故?
…………っ
……!!
当然のことを聞くな、ばか者
お前を助けに来た、それだけのことだ
兄上、これを!
俺の剣……
やれやれ、風音までこの神の機嫌を損ねるとは。この神はおいたは嫌いなのだが
十国軍よ!ここは危険だ!民を安全な場所まで避難させよ!!
風音副将軍のお達しだ!焦らずに安全なところまで下がってください!!
我々と一緒なら何も心配ありません!順番に避難してください!!
おい、魔法使い
っ!
十四郎将軍を……頼んだぞ
いいだろう、承った
遅くなりました、ソール様
チャームは力尽きてリタイアしてしまったけど、私達が全力でサポートさせてもらいます!
チャームのおかげでマジーも私もここまで動くことができるのだ。感謝している
お前達も頼むぞ、ソルセルリー、アムレート
はいっ
お任せください
ソール……これは?
神降ろしの時間だ、十四郎
よもや、まだ諦めてはいるまいな?神罰によって死ぬべきだったと
…………
いや、俺もまだ生きたい
あーあーもーもー!せっかくの神罰を台無しにしてくれちゃってこの異物共が!この神熱だしちゃいそうだよストレスで!!
十四郎を救いたい?神降ろしの時間?なーに世迷言言ってんの!この神が定めたことは絶対なの!異物が何をほざいてもこの神は揺るがないの!!
いいよ、貴様ら全員神罰の対象だ。この神自ら全員斬首刑にしてやる!!
いかにもラスボスらしい言い草だな
ならばラスボスらしく潔く散ってもらおうか!!
俺も戦うぞ、ソール!俺は俺の手で未来を掴む!!
行くぞ!!