【58】

























……なにもない


カボチャが無くて困っている
町があって

カボチャ菓子が手に入らなくて
困るボクがいて



それでも
どうすることもできない。

困っているね

ええ

我々も困っている

これも全て役に立たない女神のせいなんだ。
そうは思わないかね?

……女神?



この町には女神がいるのか。

カボチャの町の守り神、と言うと
農耕の神様的なイメージなんだけど

そんなビジュアルなんだろうか。





そんなことを考えていると、










カボチャ頭は
突然ボクの手を掴んで引っ張った。

だから我々は女神に頼らないキルバス再生の道を行くことに決めたのだ


なに?
と思う間もなく、口を塞がれる。



薬品の匂い。
これは……

新たなキルバスの女神となれ







ボクは
意識を失った――。









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