ヴィクターJr.

丁度、今いるの堕天使様と、ただの人形だし、話しても大丈夫かな?

フォーリ

何をですか?

ヴィクターJr.

くっだらない昔話だよ!

いつのことか。

そんなの覚えていない。
でも、これが、吾輩の記憶のはじまりだと思う

眼を開けると、そこに人が立っていた。

ヴィクターJr.

……これは?

これは、お前。

ヴィクターJr.

わっ!

いきなり、声出すなよ吃驚した


壁? それとも、窓?

何処からか聞こえる言葉に辺りを見回す。

その時に、目の前には鏡があって
僕自身が映っていることに気付いた。

ヴィクターJr.

キミは、誰?

ヴィクターJr. それがお前の名前。

ヴィクターJr.

違う、キミは?

何にも知らなくても良い。

でも、一言。生まれてきてありがとう。

ヴィクターJr.

いきなり気持ち悪い
帰って。帰れ

待て待て待て。

言っとくけど、そういう意味じゃない。

ヴィクターJr.

何それ?

あー、まあ、そうだよなー。

誰が何と言おうとも、どういう過程で作られようが、守り切りたかった。無責任だけどな
言動に腹立って苛々はするかもしれないけど。

ヴィクターJr.

あ、うん。
よく分からないけど、変態ってこと?

もういい。変態でも何でも呼べ

んで、お前には大事なお願いがある。

ヴィクターJr.

大事なお願い

お前は、吸血鬼だ。

ヴィクターJr.

え?

話すすめるぞー。

その城にいるのは、お前のお母さんとお父さんが、眷属にした人間だ。

ヴィクターJr.

眷属?

あー、えっと、聞いてくれる便利な召使いたち?

ヴィクターJr.

吸血鬼ってことは、その人たちから血をもらって生きればいい?

そうやって、言付かっている。

ヴィクターJr.

誰から?

お前のお父さんとお母さん。

ヴィクターJr.

ふぅん。どんな人?

金髪で、青い眼をしていた。

ヴィクターJr.

当たり前すぎるんだけど。

あと、頭が良かった。

ヴィクターJr.

そうだね。

金持ちだ。

ヴィクターJr.

城があるぐらいだからね。

そ、そうだなー。

ヴィクターJr.

まあ、いいや。 で、何すればいいの?

王になればいい。

ヴィクターJr.

全く良く分かんない。
どうやってなればいいの?

さあ。

飽くまでも、オレは頼まれただけだからなー
無理矢理、顔見たさに来たってのもある

ヴィクターJr.

僕の顔が可笑しかった?

反対だ。
可笑しくなくて本当に安心している。

あ、一人称、吾輩に変えたらどうだ?
吸血鬼っぽいぞー

ヴィクターJr.

なんかダサい。

良いから、吾輩。

ヴィクターJr.

わ、がはい……くすぐったいな…。

で、出身もルーマニアにしろ。
それっぽいから

ヴィクターJr.

何だそれ?
いいよ、それぐらいの願いで王になれるなら。

いや、なれないけどな!

ヴィクターJr.

ええええええ!?何それ!?

なんていうか、あれだ。

魔王を倒して、魔王になれ!みたいな願いらしい

ヴィクターJr.

その為に王になってって?

まあそんな感じだ。

今、魔王から逃げてる奴がいて、それから頼まれてる。

ヴィクターJr.

そんなの、出来ない…。

んじゃあ、お前なりに良い死に方見つけて、うまーく死ね。

ハッピーエンドって奴だ。

ヴィクターJr.

ハッピーエンド?

そうだなー。語弊はあるけどな

それで、最後に一つ。

自分で死ぬことも出来ず、どうしても、つらくなったり、諦めようかと考えたりするのなら

――白雪に声かけろ。もう、つらい事を全部吐いてこい。

ヴィクターJr.

誰それ。

ただのキチガイ暴食女。

不幸な奴ほど美味しく感じる異常者。
お前が、つらいなら、オレは、終わりで良いと思う。

ヴィクターJr.

全く、良く分からない。

そうだな。
また、不祥事発生したらオレも強制呼び出し喰らうと思うし

ヴィクターJr.

……不祥事?

あー、いや。
遠くから、応援はしてる。

ヴィクターJr.

うん。全く良く分からないけど、
変態が味方してくれることだけは分かった。

――もう、いなくなる味方だけどなー?
あとは全部ひとりで頑張れ。

ヴィクターJr.

ねぇ、最後に。君の顔、見せて。

顔が見たいから来たのに、吾輩だけ顔見れないのは不公平だよね?

ま、まあ、そうだなー。

鏡に一瞬だけ映してもらうか

ヴィクターJr.

とりあえず、覚えた。
きっと忘れるけど。

なら、見せなくてよかったか!?

ヴィクターJr.

嘘だよ。
会ったら、それっぽい事言って挨拶するからちゃんと答えて。

会ったらなー。

銀髪で、涼し気な湖の青

それが、吾輩が覚えている彼の特徴だった。

ヴィクターJr.

と言うだから、今から白雪のところに行くんだ

フォーリ

そういう経緯があったのですね。

ヴィクターJr.

そうそうー、急ぐよー!

10歩目…合った事がない知り合いの話

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