いっくよーーー！！
いつものように
ひとりずつ
ステージに上がっていく
ひとつずつ増えていく音
ベース
ドラム
ギター
そして
ヴォーカル
全て
欠けてはいけない
全て揃ってこその
最狂バンドなんだ！
わたしは
絶対このメンバーで夢をかなえてみせる
誰一人かけても
ダメ
誰一人替えが効かない
最狂の四人組
それだけは言える
今日集まっている
偉大な
先輩バンドのみんな
わるいけど
わたしたちが
サイキョーなんだ！
私がステージに入る前
いっせいに
無音
ライトも消える
わたしはゆっくりと
１歩一歩
ステージの中央に歩みを進める
ステージの下から伝わってくる
熱気
期待
真っ暗で何も見えないけど
すごい人
オープニングからこんなに人が
いていいのだろうか
私たちに
あの人数を
満足させることが出来るのだろうか
その緊張が伝わったのか
ギターのいずみちゃんが
そっとみみうちしてきた
さぁ
楽しい音楽の時間のはじまりだよ♪
やっぱり
みんな最高だ
暗闇で見えないのに
みんな私のほうを見て
聞こえてるわけ無いのに
頷いてるのがわかる
そう
わたしたちが楽しくなきゃ
みんな楽しめない！！
わたしが大好きな漫画から
もらった素敵な合言葉
「楽しい音楽の時間の始まり」
みんなで
ステージの上も下も関係ない
楽しもう
わたしはそっと右手を上に上げる
すると
一筋のスポットが私を照らした
さぁ
いこう
私はそっと口を開いた
こんばんは。
XplosioN
最狂ヴォーカル
めめたぁです。
今日は
こんな偉大な先輩みんなの
先陣を切らせてもらってますが…
ごめんなさい…
わたしたちが
サイキョーなんでよろしく！！！
いつもならここで
ぅちらがサイキョー★
が始まるのだが…
今日は違う…
ここからは直前の練習ではやってない
ゲネで打ち合わせしただけ
先輩たちも知らない演出だった。
直前で確認はしたけど
スポット当てるだけでいい
あとは終わるの待ってください
って
内容だし大丈夫だろ。。。
すとーーーーっぷ！
きょうは
いままでやらなかった大切な曲を
大事にしてきた曲をやろうと思います
わたしの人生を変えてくれた
そんな
偉大な先輩に向けて作った歌です。
聞いてください…
メロウブランを聞きながら
あの幕の向こうから
聞こえてくるリフレイン
この音を聞くため
この場所に呼ばれたんだ
全て枯れ果てた
この心の奥に
響く
とても良い音が心地よくて
今も思い出す
その奇跡の瞬間を
セツナロックを聴きながら
幸せをかみしめて
いつも笑顔で楽しそうに
ライブをする姿
思い出して
「願晴」ろう
メロウブランを聞きながら
いつの日か
この私にも
こんな歌作れるの？
幸せを運んでく
メロウブランのような歌を
今日もまた
「願晴」ろう
メロウブランを聞きながら
今日もまた
「願晴」ろう
メロウブランを聞きながら
静寂とスポットライトが私を包む
光の中で
伝わったかな
私の思い…
多分１０秒くらいだったと思うんだ
この何も音がしない時間
私には何分にも感じられた
自然に
一筋の涙が
頬を伝って落ちた…
