私は、クロードさんに言われて、慌てて残りのクッキーを食べた。
その直後、サフィラさんを含めた残りの住人が食堂に入って来た。
私は、クロードさんに言われて、慌てて残りのクッキーを食べた。
その直後、サフィラさんを含めた残りの住人が食堂に入って来た。
ジャスミンさん。
こんなことになってしまってすみません。
マリーさんが私に駆け寄って来た。
いえいえ、私は大丈夫です。それよりも、マリーさん達の方が心配です。ご家族を亡くされるなんて……。
私は、マリーさんが心配だった。
私たちは大丈夫です。
マリーさんは微笑んでくれた。
でも、その笑顔は、どこか悲しみが感じられた。
これで生存者全員が揃いました……。
揃った住人を確認すると、必然的に殺させた人物がわかった。殺されたのは見習いメイドのクレアであった。
クレアさんが殺されたんですか?
そうです……。
今夜はここで一晩明かすしかないようだね。
そのほうが安全ね。
ダメだ。犯人がわからない以上、この中の誰かが犯人かもしれない。
もしかししたら、ジャスミンさんが犯人って言うこともありえる。
そうしたら、俺たちは犯人と一緒に寝ることになる。
俺は部屋に戻る。その方が安全だ。
待ちなさい、ユース。
ユースは乱暴にドアを閉め、食堂を出て行った。
しみません。無礼な態度を取らせてしまって……。
いえいえ。気にしていません。
私が来てから起こったことですし、疑われるのは当然です。
では、私とシルビアで見回りを行います。
皆さんも部屋に戻った方が安全ですね。でも、鍵をかけるのをお忘れなく。
では、一人ずつ案内しますので。
アーサー様、こちらへ
アーサーさんは食堂を出た。
続いてマリーさん
そして、クロードさん
そして、シルビアさん
最後に、サフィラさんが私を案内しに来た。
サフィラさんは怖くないのですか?
平然と廊下を歩くサフィラさんに聞いてみた。
ええ。怖くありませんよ?
サフィラさんが笑顔で言う。
そうなんですか。 凄いですね。
いえいえ。
犯人、もしくわ原因がわかっている小説を読んでも、ジャスミンさんは怖くないでしょう?
え? それってどういう……?
私がジャスミンさんに聞き返すと、ジャスミンさんは立ち止まった。
だから、犯人がわかっているなら怖くもなんともないと思いませんか?
そういって、ジャスミンさんは、廊下の先を指差した。
私は、サフィラさんの指差した先を見た。
……。
暗くてよく見えない。
でも、何かが廊下の突き当たりで山積みになっていた。
ほら、もっとよく見えるようにしてあげます。
サフィラさんは手に持っていたランプを山積みになっている何かにめがけて投げた。
廊下の先でランプが割れ、山積みになったものが浮かび上がる。
ひぃっ!
浮かび上がったのは、さっきまで食堂に居た皆の変わり果てた姿だった。
じゃあ、犯人は……。
私が振り向くと、腹部に激痛が走った。
かはっ……。
サフィラさんが、私の腹部に果物ナイフを深くまで突き刺していた。
フフフッ。私はここから出たいのよ。悪く思わないでね。
私は、その場に倒れこんだ。意識がだんだん遠のいていく。
廊下が私の血で赤く染まってていく。
そん……な……。
廊下を歩いていくサフィラさんは、どこか楽しげだった。
ここは……。さっきの部屋……?
私が再び目を覚ましたとき、私はベッドの上で眠っていた。
窓の外は赤い月が夜の森を照らしていた。