『演劇』
『演劇』
恨みはないでござるが
皆の平穏の為、覚悟するでござる
ぼくだって、世界を良くするためにがんばってきたのに
お主の言う世界では、幸せになれぬものが多すぎるのでござるよ
人が多すぎると思うんだよ、半分くらいに減らした方が良かったっていずれ思うよ
お主がそう思う分には構わぬでござる
だが、拙者は今を生きる人々を幸せにしたいでござる
それがダメなんだよ
救い甲斐のない人間だってたくさんいるよ?
未来を託せる人間だけ残して、後は捨てちゃおうよ
『捨てる』と言ったでござるか?
人間の命を何と心得ているでござるッ!
要らない命もあると思うよ?
全ての命は平等でござる!
平等じゃないよ
…………
…………
結局、そこが拙者とお主の差でござるね
そうだね
やはり、お主を生かしておくことは出来ぬでござるのか
偽善だね
命は平等だって言っておきながら
やむを得ぬでござる……
99の命を救うために、1つの命を切り捨てるの?
…………
拙者が殺った命は、拙者が背負っていくでござる
ぼくの命は、その他大勢の命と同等なのかな? 君にとっては
そうでござる
そっか
覚悟するでござる
いいよ、ぼくも最後まで足掻いてみるよ
…………
…………
いざッ!