『演劇』

 

猫夜夕星

恨みはないでござるが

猫夜夕星

皆の平穏の為、覚悟するでござる

魔法猫

ぼくだって、世界を良くするためにがんばってきたのに

猫夜夕星

お主の言う世界では、幸せになれぬものが多すぎるのでござるよ

魔法猫

人が多すぎると思うんだよ、半分くらいに減らした方が良かったっていずれ思うよ

猫夜夕星

お主がそう思う分には構わぬでござる

猫夜夕星

だが、拙者は今を生きる人々を幸せにしたいでござる

魔法猫

それがダメなんだよ

魔法猫

救い甲斐のない人間だってたくさんいるよ?

魔法猫

未来を託せる人間だけ残して、後は捨てちゃおうよ

猫夜夕星

『捨てる』と言ったでござるか?

猫夜夕星

人間の命を何と心得ているでござるッ!

魔法猫

要らない命もあると思うよ?

猫夜夕星

全ての命は平等でござる!

魔法猫

平等じゃないよ

猫夜夕星

…………

魔法猫

…………

猫夜夕星

結局、そこが拙者とお主の差でござるね

魔法猫

そうだね

猫夜夕星

やはり、お主を生かしておくことは出来ぬでござるのか

魔法猫

偽善だね
命は平等だって言っておきながら

猫夜夕星

やむを得ぬでござる……

魔法猫

99の命を救うために、1つの命を切り捨てるの?

猫夜夕星

…………

猫夜夕星

拙者が殺った命は、拙者が背負っていくでござる

魔法猫

ぼくの命は、その他大勢の命と同等なのかな? 君にとっては

猫夜夕星

そうでござる

魔法猫

そっか

猫夜夕星

覚悟するでござる

魔法猫

いいよ、ぼくも最後まで足掻いてみるよ

猫夜夕星

…………

魔法猫

…………

猫夜夕星

いざッ!

この一太刀ですべてを終わらせるッ!

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