やあどうも、
わたしの名は『石油王』
やあどうも、
わたしの名は『石油王』
みなさんご存じのとおり……
石油王とは『石油の王』である
あらゆる石油を支配する王だ
ガソリンや灯油、原油、重油やコールタール
そういったものを支配し
命令をくだす石油の王なのだ
今回はこの石油王
オイル・メッチャヌルヌル二世が
まずしい庶民たちの
生活向上に役立つレシピを
教えてやろう……
ジャガイモの話をしよう
ジャガイモを放置すると緑色になってくる
ご存じの方も多いであろうが……
『緑色になったジャガイモは毒だから食えない』
と教わった方も多かろう
たしかに緑色のジャガイモには『ソラニン』と呼ばれる毒性分などが含まれていて、死亡したケースもあるそうだ……
でもな、食えるんだ
がんばれば食える
食えるんだよ
緑色のジャガイモ
石油王は石油の王だから関係がないが……
庶民には
「緑色のジャガイモ以外に食えるものがない」
とかそういう事が起こるだろう
今回紹介する料理は
ぶっちゃけ、マズいし身体にもたぶんちょっと悪い
だが「緑色のジャガイモしか」
ということもあろう
じっさいこれを書いた者は
たまにやっておる
そんなわけで今回は
「緑色じゃがいもの毒抜き」
レシピだ
まず、ジャガイモの毒成分は基本的に水溶性だということを知っておこう。
何度もゆでて毒を抜く作戦だ
水に熔けやすければ湯にはもっととける
①
まず緑色のジャガイモを用意する。
……わざわざ緑色にする必要はないぞ。
普通のジャガイモのほうが絶対うまいからな
わざわざ用意することはない
畑のわきに緑色のが捨てられてたのを拾ってきた
だとかそういうケースだな……
……何だその目は
②まず皮をちょっと厚めにむくんだ
ジャガイモ毒は皮の下に多い
皮をむいたとき、内側が白かったらけっこう安心していいが、ハードに緑化したジャガイモだとむいてもまだ緑だったりする
皮をむいてもまだ抹茶ラテみたいな色をしていたら、けっこうあれだ、まじめに作業しないと食中毒になる危険がある
本当に毒抜きしてまで食うべきか考えた方がいいけどな……
③むいたら、薄めにカットするんだ。フライドポテトよりさらに薄くした方がいいな。
ゆでて毒を抜くわけだから、表面積がでかいほど毒は効率よくぬけるわけだな
④適当な鍋に水を入れて、ジャガイモをゆでよう。五分ぐらいゆでたら、いったん湯をぜんぶ捨てるのだ
それから水をまた入れて、また同じようにゆでる
⑤これをくりかえす。4の工程をくりかえし行って、毒を抜いていくのだ。
……回数の目安?
そんなものはない。
サバイバル料理に目安だのちゃんとしたレシピなどはないのだ
だって材料がちゃんとしてないからな!
……だが、これを書いている貧民はだいたい五回ぐらいはくり返し、ジャガイモが煮崩れてくるのをひとつの目安にしている
奴いわく
「五分煮たゆで汁を口に含んで、毒の味がしなくなっていたら、毒はほぼ抜けている」
とのことだ
なんだ毒の味って
それと
『茹で上がったジャガイモを食べてみて、本能に判断させれば大丈夫』
とも言っていた
⑥さて、このとおり作業すれば、鍋の中にはグズグズに煮崩れたうす緑色のまずそうな物体がのこっているはずだ
さあ存分に召し上がられよ
食え。食うのだ
⑦おいしくないから食いたくない、というぜいたくな庶民は、ネットで「ポテトニョッキ 作り方」で検索するといい
ポテトニョッキにするんだ。材料のジャガイモをゆであがった緑ジャガイモに差しかえ、強力粉とまぜてパスタにすれば、まあ快適な味になる。
うすみどり色のニョッキができるぞ
野菜を入れたとかてきとうにごまかして亭主とかに食わせろ。
まあ強力粉があるならこんな手間かけずうどんでも作れって話ではあるけどな……
きょうの料理教室は以上だ
腹を壊しても石油王のせいにするなよ
忘れるな、石油はいつもおまえとともにある……
アイムヒア フォーユー