文子は迷っていた。
文子は迷っていた。
こんなもん、かな?
うんうん
軽快にキーボードを叩きつつ。
目の前の事に一時集中しながらも。
お。いいかも!
できた!
短いけど、小説
私にも書けた!
……といっても
文子は迷っていた。
できあがった小説を眺めてみる。
少年少女の出会いと別れの物語だ。
たぶん、思うほど上手くない。
話はきっとありきたりだ。
長さだって一万字にも届かない。
それでも。
今、文子が書きたいと思った事を、
誰かに届いて欲しいと思い。
形にしたものだった。
たぶん、こういう小説を、同人小説と言うのだろう。
公開はやっぱり、オンラインかな。
迷っていた。
いや。
誰かに読んでもらいたいけど
イベントなんてとっても出られないし
実際の処、選択肢など、なかったのだ。
投稿サイトはちょっと怖いけど
自力で発表するよりは……。
ん?
!
黒い毛並み
つやっつやの♡
赤いリボン
とびきり可愛い♡
コネコ声!
ものすっごく
愛らしい鳴き声
……
……
れぼんちゃん~!
はぁい♪
今日はね、そんな迷える文子に
わたしに?
素敵なお話を持ってきたぼん♡
ミニブース?
ミニ、ぼん。
ちっちゃいの?
ちっちゃいぼん。
どれくらい?
70cm × 40cm ぼん
え、えと?
普通(コミックマーケット/文学フリマ)は
90cm × 45cm ぼん
畳の短辺が90cmだから…
ちょっと大きい机だと、90cm × 60cm ぼん。
え、あの、60cm!?
……
畳の短辺の幅はあるのよね?
えと、45cmってことは?
私の歩幅が45cmくらいだから、だいたい一歩になるのかな? あれ?
こんな感じだぼん。
会場の机は大きいぼん。90cm × 90cmあるぼん
真ん中のサイズが普通のサイズなんだぼん
ミニブースは縦も横もちっちゃいぼん!
分かり易い!
そして
ちっちゃい!
ぼん。
ちっちゃいから
ちっちゃいから?
サークル活動はじめてそんなに経ってない人とか
人とか
初めてイベント出るよって人とか
初めてさんとか。
初めてさん、とか?
試しに出てみたいなって人とか。
試しに
合体とか、ジャンルとか、選べないけど
けど
椅子も一つしか置けないけど
けど
ちっちゃいぶん、お安く。
おやすく。
おやすく!?
おやすくー!
出れるの!?
でれるぼんー!
本なんて何冊もないから、ちっちゃくてもいい!
ジャンルもよくわかんないし、知り合いが居るわけでもない!
だって、初めてなんだもん!?
はっ
ごめんなさい、驚いちゃって
……
だって、普通の参加はちょっと怖いなって思ってたんだもん?
こわい?
こわいよ。
本、一冊しかないし
はじめてなんだぼん
知り合いだっていないし
これからたくさんつくるぼん
おやすいわけじゃないし
それはちょっとごめんなさいぼん……
短いお話一本書いたくらいで
イベントなんて、出て良いのかな、って
最初は必ずはじめてさん、ぼん
そうだけど
みんな一冊から始まるぼん
そう、だけど……
だから、ぼん!
だから?
一冊と少しだけお飾りできるスペース
ちっちゃくて
お友達がまだいなくても普通でしょ?
椅子一つだけで
ちょっとだけお安くて
お試し出来るお値段で
『初めてさん』ばっかり集めた配置
初めてさんって、判るから
今を詰め込んだ、一冊二冊を
胸張って、出して良いんだ!
出していいぼん♡
アンソロも参加出来るぼん♡
それって……
前もって読んでもらえるってこと!?
ぼん♡
アンソロで読んでもらえるかもしれなくて
かもしれないぼん
ちょっとだけ、気にしてくれる人がいたら
いたら
お話したりできるかも…!
ぼん~♡
出てみたいけど、怖いなとか
文子みたいにちょっとだけ悩んでいたりする人が
安心してお試し出来るブースなんだぼん♡
お試しかぁ
慣れたら、通常ブースで
通常で
自分の本、お友達の本、沢山置いて
無料配布とか、300SSのカード並べたり!
思う存分飾り付けるぼん!
飾り付けたい~っ!
あなたのお試し、待ってるぼん!
あなたの本を待ってる人が
きっとたくさん居るんだぼん♡